Bリーグ2018-19シーズンの王者を決める戦いを翌日に控えた5月10日、昨シーズンの王者であるアルバルク東京(以下、A東京)の選手たちが5月10日、試合に懸ける意気込みを語った。
レギュラーシーズン60試合を勝ち上がった8チームが出場しトーナメント戦でシーズン王者を決めるチャンピオンシップ(CS)。44勝16敗、東地区3位でレギュラーシーズンを終え、ワイルドカード上位でCS進出を決めたA東京は、新潟アルビレックスBB、琉球ゴールデンキングスを倒し決勝に駒を進めた。対戦相手となる千葉ジェッツ(以下、千葉)は52勝8敗、東地区1位でCSに進出し、富山グラウジーズと栃木ブレックスから勝利を収め決勝に臨む。
A東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC)はCSの2戦を「タフな試合だった」と振り返る。琉球ゴールデンキングスとの準決勝は第3戦にもつれ込み、7日の決勝進出決定後、沖縄から東京に戻る過密スケジュールとなったが、菊地祥平選手は「昨日も少し汗流す程度の練習でリフレッシュできている。いい状態で臨めそう」と疲労感を見せなかった。ザック・バランスキー選手は「琉球との3戦目はターンオーバーも少なく、良い判断ができている」と調子の良さをうかがわせた。
ジャワッド・ウィリアムズ選手がアキレス腱断裂で戦線離脱を余儀なくされる中、選手たちはバッシュにウィリアムズ選手の背番号「31」を書くなどしている。バランスキー選手は「試合には出られないが一緒に戦っている。けがをした時は残念だったが、『後は皆に託した』と言われたので、彼のためにも勝ちたいという思いはもちろんある」と思いを寄せる。エースの田中大貴選手もCS前に左足のハムストリングスを痛めているが、「一人がどうこうではなく、チーム全員でカバーするので、ここまできたらどんな状況でも(チームの状態は)100%」と力を込める。
千葉は富樫勇樹選手を軸に攻撃を組み立ててくるが、「ほかの選手も力を付けてきているので、意識しすぎずチームで全員を守ることを意識して戦いたい」と馬場雄大選手。インサイドで外国籍選手とマッチアップする場面も多い竹内譲次選手は「どの選手が出てきても力を持っているので、強力なインサイドに対してディフェンスとリバウンドで上回れるかが鍵になる。仕事させないように体を張りたい」とも。
決勝に向け、パヴィチェヴィッチHCは「各地区(西・中央)のチャンピオンを倒して進んできた。ベストを尽くして、明日の試合に全てをかけたい」と意気込む。連覇がかかった戦いとなるが「(チームで)共通認識があると思うが、王者という気持ちはない。アウェーで2戦戦ってきているので、挑戦者の気持ちしかない」と菊地選手。田中選手は「ファイナルは新しい試合だと思っている。新しいチャンピオンシップを獲得するために、全員がハングリー精神を持って戦ってきた。新たな気持ちで臨めたら」とも。
千葉はA東京より先に決勝進出を決めていたが、「特に変わったことなく、いつも通りやるべきことを選手たちが遂行してくれた。ゲームに向けて良い準備ができた」と大野篤史HC。「60試合積み上げてきたものを全てこの1試合に出すつもりで、一丸となって戦いたい」と力を込める。富樫選手は「(昨シーズンと)同じ相手、会場でまたファイナルで戦えるのはすごくうれしい。昨年の悔しさは全員が覚えているので、今年こそはという思い」と雪辱を期す。
決勝は1万3000人を超すファンの来場を見込む。田中選手は「昨年以上の盛り上がりを見せられたら。ファンの皆さんのためにもいい結果をプレゼントしたい」と意欲を見せ、菊地選手は「(準々決勝・準決勝の)アウェーにも来てくれて、声を枯らして応援してくれているのを見ているので、勝つことが恩返し。また一緒に喜びを分かち合えたら」と話す。富樫選手は「沢山の人に見ていただけると思うので、バスケの楽しさを伝えられるような試合にしたい」とも。
両チームはこの日、試合会場となる横浜アリーナで一部練習も公開した。