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レントゲン写真に音楽を録音した「ボーン・レコード」 表参道で企画展

レントゲン写真に音楽を録音した「ボーン・レコード」が並ぶ。骨格などがはっきり写っているものもある

レントゲン写真に音楽を録音した「ボーン・レコード」が並ぶ。骨格などがはっきり写っているものもある

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 レントゲン写真に音楽を録音した「ボーン・レコード(ろっ骨レコード)」を展示する企画展「BONE MUSIC(ボーン・ミュージック)展」が現在、表参道のイベントスペース「BA-TSU ART GALLERY」(渋谷区神宮前5)で開催されている。主催はソニー・ミユージックエンタテインメント(千代田区)。

キュレーターのハートフィールドさんとコーツさん

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 1940年代~1950年代、冷戦時代のソビエト連邦では、芸術表現規制としてアメリカのジャズやロックなどを聴くことが禁止されレコードは検閲されていた。それでも音楽を聴きたいと思った人たちが、病院で不要となったレントゲン写真にカッティング・マシーンで音楽を録音して作っていたのが「ボーン・レコード」という。

 キュレーターを務めるのは、英ミュージシャン・作曲家・音楽プロデューサーであるスティーブン・コーツさんと、友人であり写真家のポール・ハートフィールドさん。2013年の終わりごろ、ロシア・サンクトペテルブルクのフリーマーケットで1枚のボーン・レコードを見つけたことをきっかけに、「誰がどうして、どのように作ったのか」を調べるようになった。その成果ともなる同展は、2014年に英ロンドンで始まり、英国内各地を回った後、イタリアやロシアなどで開催。今回、アジアで初の開催となる。

 会場では、フリーマーケットで購入したり譲り受けたりして集めたボーン・レコードの中から、胸部、頭部などが「きれいに写っている」15枚を展示。中には、最初に入手したというロックの代表曲「ロック・アラウンド・ザ・クロック」が収録されている、手が写った一枚も並ぶ。録音機などを置き、ボーン・レコードが作られていた部屋を再現したコーナーも作った。

 このほか、欧米音楽やアメリカのファッションなどをまねた若者たちを「からかう記事」を掲載していた当時の風刺雑誌、ボーン・レコードの「残響」として絵葉書などに録音された「海賊版」や薄いレコード「ソノシート」も紹介。コーツさんとハートフィールドさんが撮ってきた、ボーン・レコードが流通していた当時を知る人たちのインタビュー映像も流す。

 同展を通して「我々にとって音楽は貴重な物である。特に、ボーン・レコードを作った人たち・聴いていた人にとって本当に音楽が大切な存在だったということを伝えたい」と話すコーツさん。「簡単に音楽が聴けると音楽の大切さを忘れてしまいがちだが、現在でも音楽が検閲されている国が存在している。聴きたい音楽を聴く方法が、ボーン・レコードしかなかったという時代があったことを覚えていくことが大切さを思い出すことにつながるのでは」と期待を込める。

 開催時間は11時~20時。入場料は1,400円ほか。5月12日まで。

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