5月1日、新しい天皇陛下が即位され、渋谷駅周辺では午後になり大手新聞各社が号外を配布した。
「令和始動」(朝日新聞)、「陛下『国民に寄り添う』」(産経新聞)などと見出しが躍る号外を手にした人たちの中には、「令和」と声を上げながらジャンプして改元を喜ぶ若者もいる一方で、「まだ慣れない。平成のままがよかった」など平成を名残惜しむ声も聞かれた。
「渋谷マークシティ」1階エントランス付近で12時半ごろ配布を始めた朝日新聞の号外は、4000部を30分余りで配り終えた。手に取っていく人の年齢・性別は幅広かったが、4月1日の新元号発表直後の号外配布時と比べると、競って奪い合う姿も見られず落ち着いた印象。
令和へのカウントダウンを祝おうと雨の中多くの若者が集まった昨日から一夜明けた渋谷駅周辺。ゴールデンウイークの混雑は見られるものの、「平和な時代になってほしい」と号外を手にした多くの人も口にしたように、平穏な幕開けを迎えた。
川崎市から父親と共に訪れた小学6年生と3年生の姉妹は「学校では『平成最後の給食』『平成最後の折り紙』とか言うのがはやった」(妹)とここ1カ月を振り返り、「正直まだしっくり来ていない」(姉)と改元への素直な気持ちも吐露。
都内の3歳の娘を持つ共に30代のママ友2人組は、自身が青春時代を過ごし結婚、出産も経験した平成について「あっという間だった」と口をそろえ、「子どももお年寄りも譲り合い寄り添える時代になれば」と新たな時代に期待を込めた。
「子どもの笑顔を見るのが楽しい」と話した、共に保育士を目指す19歳と20歳の女子短大生は、昨日の「カウントダウン」時は「特に話題にもならず普通に過ごした」と冷静だったが、子どもたちの未来については「笑顔がない世の中にだけは、私たちがさせない」と力強くうなずき合った。
号外を受け取り「令和」と声を上げて喜んでいた千葉市の高校3年の女子生徒2人は、昨夜の「平成最後の晩餐(ばんさん)」がそれぞれ「海鮮丼」「手作りパスタ」だったと明かした。共に「平成がいい」と口にしながら、「新鮮な気持ち」「頑張りたい」とも。
共に「英語が好き。国際的な仕事がしたい」と将来の夢に触れ、平成から変わってほしいこととして「4Gが使えない。電波状況をもっとよくしてほしい」と若者らしい注文も付けていた。