渋谷区と公益財団法人日本陸上競技連盟(以下日本陸連、江東区)が4月25日、相互協力に関する協定を締結した。
渋谷区は昨年3月に策定した「スポーツ推進計画」の中で、渋谷区自体を「15キロ平方メートル(=区の面積)の運動場」に見立てて、さまざまな世代の人たちがスポーツに関わり「思わず体を動かしたくなる街」を目指している。一方、日本陸連では、全ての人が陸上競技を楽しめる環境をつくる「ウェルネス陸上」を理念に、2040年までにランニング人口2000万人を目指し、ランニングを楽しめる環境や機会の提供を図るプロジェクト「JAAF RunLink」に取り組んでいる。
協力事項は、区がホームページなどで公開している「シブヤウォーキングマップ」を活用したウオーキングイベントなど健康増進に関すること、区内の学校訪問や陸上教室の開催など次世代教育に関すること、テストイベントへの区内小学生の招待など2020年の東京五輪・パラリンピックの機運醸成に関することなど5項目。
第1弾企画は、6月に日本陸連が開催するランニングウィークの「リーディングエリア」として渋谷キャスト(渋谷区渋谷1)の広場を中心に、代々木公園陸上競技場など区内各所でランニングに関連イベントを展開する予定。
長谷部健渋谷区長は「子どもたちだけでなく、健康増進意味では高齢者まで全ての区民がターゲット。スポーツの基本は走ることでもあると思うので、陸連と協定を結べるのはありがたい」と感謝の言葉を口にする。自身が40歳を超えてから走り始めたことから「同世代が興味を持ってくれる施策もやってみたい。健康増進につながる新しいスポーツとの触れ合いは、堅苦しくないかたちでアプローチする必要がかると思うので、渋谷区は親和性あるのでは」とも。
日本陸連の尾縣貢専務理事は「全ての人がスポーツを愛し習慣化すること、このイノベーションを国内だけでなく世界に発信できるのでは。『若者の街渋谷』に『スポーツタウン渋谷』と新しい称号がつくことは近いと思う」と期待を寄せる。有森裕子理事は「おしゃれな渋谷の街と陸連が提携し、ランニングを通して多くの方に元気と健康をもたらす流れを作れることをうれしく思う。ランナーのみならず、一人でも多くの人に走ることを喜びと感じていただけるよう、陸上界と渋谷区がタッグを組んで推進していきたい」と意欲を見せる。