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渋谷拠点のサッカークラブ「TOKYO CITY F.C.」、今季初勝利 都2部

貴重な1点を挙げた市川俊治朗選手(中央)

貴重な1点を挙げた市川俊治朗選手(中央)

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 渋谷を拠点に活動するサッカークラブ「TOKYO CITY F.C.」(以下、CITY)が4月14日、FC KOREA(同、KOREA)と対戦し1-0で勝利した。会場は赤羽スポーツの森公園競技場。

前半のフリーキックを蹴る阿部翔平選手

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 CITYは2014年に設立したクラブで、今シーズンはJリーグ1部(J1)から数えて8部に当たる東京都社会人サッカーリーグ2部(都2部)に所属。毎年、各カテゴリーでリーグ優勝するとともにカテゴリーを上げ、2024年にJリーグ参入を目指している。

 都2部は42チームが所属し、3ブロック(各14チーム)に分かれ1回総当たりで戦い、勝ち=3点、引き分け=1点、負け=0点が与えられ合計得点で順位を争う。各ブロックの優勝チームが、来季東京都社会人サッカーリーグ1部(都1部)に自動昇格する。3月24日にエリース東京クラシックと開幕戦を戦ったCITYは引き分けスタートとなった。2戦目の対戦相手FC KOREAは、都1部から降格してきたチームだが、過去には関東サッカーリーグ1部で優勝経験のあるチーム。スカウティングでも「(ブロックで)一番強い」と見ていた。

 40分ハーフで行われた試合は、「チームのために」と円陣を組んでキックオフを迎える。KOREAの「寄せが早く」激しいプレッシャーに「球際で負けていた」(阿部翔平選手)とボールを奪われるシーンも目立ち、防戦一方となる時間帯が続いた。その中でも31分には、フリーキックを得てJリーグ「名古屋グランパス」などでプレーした経験を持つ阿部選手がゴールを狙うもネットを揺らすことができず、0-0で前半を折り返す。

 「絶対勝ち点3を取る」と迎えた後半。深澤佑介監督の「自信を持って勇気持ってボールを前に運べ、失敗しても奪い返せばいい」という言葉に応えるかのよう攻めの姿勢を見せていく。45分には今季新加入の藤原裕太選手がスローインからゴールを狙うも枠を捉えられず。その後もゴール前にボールを送るもシュートに持ち込めずいると、50分にはKOREAにシュートを放たれたが守護神・峯達也選手がしっかりとセーブした。

 ここで深澤監督は「何かを起こすなら彼かな」と、ストライカーの市川俊治朗選手を投入。直後、野村良平選手がドリブルで上がるのに合わせ走っていた市川選手は一度ディフェンスの背後に回り、「のむ(=野村選手)だったらここに出すだろう」というタイミングでディフェンスの前に出てパスを受けシュート。放ったボールがネットを揺らすと、ベンチの選手や応援に駆け付けた友人・ファンたちも立ち上がって喜んだ。追加点を狙い攻め続けるとともに、ディフェンスを崩さず守り続け1-0で勝利を収めた。

 市川選手は海外への転勤が決まっており、この試合がラストゲームとなった。仕事の都合で前節以降の2週間練習に参加できていなかったため、コンディションは万全ではなかったが「少ない時間で試合を決めよう」とピッチに立った。「勝ったのが一番で、シュートが決められたのはおまけ。今までの頑張りと皆の気持ちが乗り移ったのでは。今までのサッカー人生で一番気持ちよかった。一番喜んでくれた人が多かったのでは」と喜びを表現した。

 阿部選手は「何としても勝ちたい一戦だったので、内容はどうであれかてたのはうれしい」と振り返った。我慢の展開が続いたが、「チームの約束事がしっかりでき、周りと協力して守れた。コミュニケーションが濃密に取れているので継続していければ、チームとして積み上げていける」と手応えをうかがわせた。東京都社会人サッカーリーグでのプレーは新たな挑戦となるが、「熱い戦いという意味では変わらない。スレスレの試合を勝つ快感はここにもあった」と笑顔を見せた。

 深澤監督は「相手のプレッシャーが思っていたよりも早く、判断が遅くなってテンポよくボールを回せなかった。サッカー自体は不格好な形になってしまったが、粘り強く、チームのためにやるとか走るとか、体を張るとかが積み重なってあの1点が取れたかな」と分析。「まだ1勝だけだが、結果を出さなくてはいけないというプレッシャーにも向き合いながら勝って行く意味で一つのいいステップになったかな」と安どの表情を浮かべた。

 次節は5月12日、I.M.P.と対戦を予定する。

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