渋谷区とゴールドウイン(渋谷区松濤2)が4月11日、「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定(通称S-SAP、エス・サップ)」を締結した。
区が2016年4月から推進している同協定は、民間企業や大学などの持つ技術やノウハウを活用しながら、協働で地域社会の課題解決を図る包括連携協定で、これまでにボッシュやアダストリアなど区内の企業を中心に19社、青山学院大学や津田塾大学など8校と同協定を結んでいる。スポーツ関連ではナイキジャパン、Bリーグ・サンロッカーズ渋谷を運営する日立サンロッカーズに続く協定締結となる。
「ゴールドウイン」「ザ・ノースフェイス」などスポーツアパレルを中心としたブランドを展開する同社は、1979(昭和54)年から渋谷に本社を構えている。渋谷や原宿などには各ブランドのショップも多く展開している。
渋谷区は「ダイバーシティー(多様性)&インクルージョン(受容)」との考え方を中心に、共助社会・共生社会の実現に向けた基本構想を策定している。同社も、障がい者スポーツ競技選手へのウエア提供などを行いながら共生社会の実現を目指しているという。スポーツを通じた活動を協働することで「共生社会の実現」という共通の目標を推進できると考え、協定を締結した。同社が地方自治体と協定を結ぶのは初めて。
協働するのは、「スポーツを通じた共生社会の実現」をはじめ、次世代教育、災害対策など5項目。9月に開始されるラグビーワールドカップや来年に迫った東京オリンピック・パラリンピックなどスポーツの国際大会が控える中、「ゴールドウインの知見は街や大会を盛り上げる上で非常に面白いことができるのでは」と長谷部健渋谷区長は期待を込める。
今年10月には東京体育館(千駄ヶ谷1)でウィルチェアーラグビーの国際大会「ウィルチェアーラグビーワールドチャレンジ2019」が予定されている。区では、東京パラリンピックのウィルチェアーラグビーの試合会場が、新・国立代々木競技場(神南2)となることもあり、小中学生を招待する計画を立てている。日本代表チームにジャージーを提供している同社では、子どもたちに応援タオルを配布するなど協力する予定。先駆けて、9月には文化総合センター大和田(桜丘町)内でユニホームの展示も予定している。
締結期間は2022年3月31日まで(以降は基本的に自動更新)。