渋谷・桜丘エリア約2.6ヘクタールを一体的に整備する大規模再開発「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業」の工事現場が4月10日、報道陣らに公開された。
東急不動産や地権者らが参画する「渋谷駅桜丘口地区市街地再開発組合」が進める同事業。渋谷駅南西部に広がる敷地に、A街区(地上39階・地下4階=事務所・店舗・起業支援施設・駐車場など)、B街区(地上29階・地下2階=住宅・事務所・店舗・サービスアパートメント・駐車場など)、C街区(地上4階=教会など)の3棟を建設する計画。
併せて、地区玄関口のランドマークとして、駅と街、地下と地上を簡便に結ぶ歩行者動線を整備する。JR山手線線路沿いのA街区とB・C街区の間には新たに「補助第18号線」(幅員約15メートル、全長約200メートル)を整備し、上空2カ所には歩行者デッキ(横断橋)を架け、丘陵地・桜丘と駅との高低差を解消。A街区は国土交通省が架け替えを進めている渋谷駅西口歩道橋から続くデッキ、渋谷ストリーム(渋谷区渋谷3)3階からJR線の頭上を東西方向に横断する自由通路も開通。駅からのアクセスや代官山・恵比寿方面との回遊性向上も見込む。
昨年10月末に東京都知事から権利変換認可を受け、11月7日から立ち飲み居酒屋「富士屋本店」や釣り具店「上州屋渋谷店」など数十年にわたり営業を続けてきたテナントや地権者の退去が始まった。解体工事着手に当たり、エリア内の区道6本を廃道にした。
今年1月7日に着手した解体工事では、仮囲いを設置し、建物内の内装材を外した後に重機で上屋の解体を始めた。エリア内には建物59棟があり、補助線の整備もあるためA街区に位置する建物から解体を進めている。全街区の建物解体は来年7月ごろまでを予定する。
完工は2023年度予定。