新元号「令和」の文字の引用元となった「万葉集」巻五が現在、国学院大学博物館(渋谷区東4、TEL 03-5466-0359)に展示されている。
和歌集「万葉集」巻五の「梅花(うめのはな)の歌三十二首」の序文「初春の令月にして 気淑(よ)く風和らぎ 梅は鏡前の粉を披(ひら)き 蘭は珮後(はいご)の香を薫らす」から引かれた「令和」の文字。「令月」は、物事をなすのに良い月やめでたい月を指し、新元号には「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味が込められている。
同館学芸員の佐々木理良(りら)さんによると、展示するのは同大図書館が所蔵する江戸時代に活字化された版本の一つで、1643(寛永20)年版の「寛永版本」。序文に記された「令」と「和」の字を丸で囲み解説したパネルと共に公開し、写真撮影もできるようにした。
同館では今月27日から、和歌を守り伝えた人々や書物に焦点を当て、古代から近代に至るまでの歌書を通して和歌の魅力を伝える企画展「和歌万華鏡-万葉集から折口信夫まで-」(6月23日まで)を開催。1年以上前から準備を進めてきたという。発表を受け3日後の同4日に「万葉集」版本の展示を始めた。公開後は多くの来館者が訪れ、足を止めて見入っているという。
開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。入館無料。4月29日~5月2日、5月27日は休館。「万葉集」版本は企画展開催中も継続して展示する。