4月1日に新元号「令和(れいわ)」が発表され、菅義偉官房長官が会見で元号を明かした11時台には渋谷・ハチ公前広場に多くの人が集まり、スマートフォンや屋外ビジョンに流れるニュースを見つめた。
新元号は「令和」――会見で元号が発表された瞬間のハチ公前広場は静まり返っていた。ビジョンで流れるニュース速報を写真に収めようとする人や、その様子を撮ろうとするテレビカメラやリポーターなどの取材陣で広場がごった返す中、スマートフォンで中継を見る人は少なく、「あ!令和だって」などの声が所々で小さく聞かれるにとどまり、群衆の視線はスクランブル交差点に面した大型ビジョンに注がれ続けた。
その後ビジョンに速報が流れると、シャッター音とともに歓声が上がった。中継でいち早く新元号を見て、持参した色紙に「令和」と書いた東京都の50代男性は、この瞬間のために多くの人が集まる渋谷を訪れたと言い、「平成に元号が変わる時は、昭和天皇が亡くなられたこともありお祭りムードにはなれなかった。今回は素直に喜びたい」と話し、「平成に引き続き、戦争のない時代に」と願った。
広場には、春休み中で街を訪れ、偶然この場に居合わせた10代の学生も多かった。発表直前、多くの報道陣も詰め掛け緊張感の漂う中、親子で岐阜県から訪れた新中学3年生の女子中学生は「ワクワクする」としながらも、「平成が古くなるのが嫌」と、「平成生まれ」でなじみの深い元号が変わることへのさみしさも明かした。ビジョンに速報ニュースが流れ、新元号を見た東京都の女子中学生2人は「覚えやすい」「書きやすい」と新元号に好印象の様子。「まだ慣れない」「(平成が終わるのは)悲しい」とも。
福岡から友人グループで訪れていた男子高生4人組は「しっくり来ない」「テンション上がらない」と率直な感想。自身が生まれ、これまで過ごしてきた平成は「いい時代だった」と振り返り、他の10代の学生グループと同様に「ローマ字にした時に『L』か『R』なのか分からない」といった感想も聞かれた。