Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が3月24日、チャンピオンシップ(CS)出場を決めた。
前日、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(以下、名古屋)との連戦初日を制したA東京は、この日もホーム「アリーナ立川立飛」で名古屋との試合を迎えた。勝利すればCS出場が決まる一戦となったが、試合前のミーティングなどで触れられることは無く田中大貴選手も「あまり気にしていなかった」という。ただ、名古屋もCS出場に向けて順位争いをしているため、「昨日以上にエネルギーをもって戦ってくる。そこで負けないように目の前の試合に集中しよう」(田中選手)と試合に臨んだ。
試合は、ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC)が最近口にしているという「ペイントエリア(ゴール近くの制限区域)にアタックすることを意識して入った」という田中選手のドライブ(ドリブルでゴールにアタックするプレー)からのアシストをアレックス・カーク選手がダンクで沈め先制。加えて田中選手がディフェンスの裏を突きアリウープを決めたほか、名古屋のヒルトン・アームストロング選手もダンク2本と第1クオーター(Q)から両チーム合わせて5本とダンクの応酬となった。第2Q中盤には19点のリードを奪うも、名古屋のゾーンディフェンスに得点が停滞し、8点差まで詰め寄られた。後半早々に田中選手が3ポイント(P)を決め、点差を再び2桁に広げると名古屋を13点に抑える堅い守りを見せ突き放した。終盤にはあまりプレータイムを得られていない齋藤拓実選手アシェーファーアヴィ幸樹選手も出場を果たし、100-74で勝利を収めた。
田中選手は「激しいディフェンスをやり続けてしっかりとオフェンスを組み立てるのが自分たちのスタイル。初心に戻るというか、そこを意識してこの1週間非常にいい練習ができていたし、この2戦も良かった。CSも近づいてきて集中してやれている」と手応えをうかがわせると、パヴィチェヴィッチHCも「自分たちのプレーをして勝った」と選手たちをたたえた。
この日もチケットが完売し3157人が来場。多くのファンの前でCS出場を決め、「ファンの方にもいい週末になったのでは」と話した田中選手。キャプテンの正中岳城(しょうなか・たてき)選手は「一つステップなので決められたのは良かった」とCS出場を喜んだが、「全てのチームに開かれていたトロフィーへ道がどんどん狭まって、最後そこに挑戦できる8チームに入れた。重要だが最低限なので安堵(あんど)感は無い」ときっぱり。「自分たちの戦い方ってどうだったか見つめながら、自分たちのスタンダードを高めることにこだわりをもっていきたい」と意識を高める。
CS出場は決まったがレギュラーシーズンは11試合が残っている。A東京には日本代表選手が3人いるほか、インサイドの要であるカーク選手は全試合に出場し平均しても1試合30分以上プレーをしている。パヴィチェヴィッチHCは「そこはチームにとって重要な選択になる。土曜・日曜の試合であればリフレッシュもできるが、今シーズンは平日の試合が昨シーズンの倍以上ある。残り11試合の勝負どころに向けて一番いい方向で持っていきたい」と方向性を示した。前日、「ギラついているくらいの方がいいパフォーマンスが出る」と話していた田中選手は、自身も日本代表メンバーでタフなスケジュールが続いているが「日本人はギラついているので大丈夫」と不敵な笑みを浮かべた。
次節となる今月27日は、アウェーでレバンガ北海道と戦う。