Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が3月23日、アリーナ立川立飛で名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(同、名古屋)と戦った。観客数は3003人。
昨年10月に始まった今シーズンも残り2カ月となったBリーグ。A東京が属する東地区は、千葉ジェッツと栃木ブレックスがチャンピオンシップ(CS)出場を確定させていることから、A東京は各地区3位以下の12チームのうち勝率上位2チームに与えられるワイルドカードでの出場を目指している。A東京は現在ワイルドカード1位で、対する名古屋はワイルドカード2位に付いている。
田中大貴選手が「本当に激しい試合だった」と振り返ったよう、立ち上がりから両者譲らない攻防を見せた。A東京は安藤誓哉選手がドライブ(ドリブルでリングにアタックするプレー)からの得点やアシストなどで点を重ねたが、名古屋はリーグ屈指のシュート率を誇る安藤周人選手が2本、クレイグ・ブラッキンズ選手が3本と3ポイント(P)シュート5本を決め5点のビハインドを負う。第2クオーター(Q)最初のポゼッションで、A東京はジャワッド・ウィリアムズ選手が足をけがするアクシデントに見舞われたが、コート上の選手たちはハドルを組み「集中力切らすと持っていかれる」(田中選手)と声を掛け、今一度気持ちを引き締めた。一時12点差を付けられるも、約3分名古屋の得点を押さえる間に4点差に詰め寄り、名古屋のミスから小島元基選手の3Pなどで逆転に成功した。
前半の勢いそのままに得点を重ね最大で14点差を付けた第3Q.終盤には、馬場雄大選手がスチールからの速攻にワンタッチでボールの軌道を変えて小島選手の得点をアシストするプレーで場内を沸かせた。第3Q途中からゾーンを敷いた名古屋のディフェンスに勢いを止められ、最終Qには2点差まで詰め寄られるが「焦りはなかった」(馬場選手)という。馬場選手のドライブや田中選手のドライブからのホットラインにカーク選手がアリウープを決めるなど名古屋を再び引き離すことに成功し、82-70で勝利した。
ビハインドでの立ち上がりとなったA東京だったが、ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「ディフェンスは決して悪くなかった。名古屋は力があるチームなので、それでも点数を入れられる場面はある。それをどう抑えるかは、それ以上にタフネス、アグレッシブ、インテンシティーのレベルを上げて、気持ちで封じ込めるのが一つ。我々は第2Qからしり上がりにレベルをあげて、ディフェンスの強度が上がったことで第2Q以降は(名古屋の得点を)20点以下に抑えられたのでは」と分析した。
田中選手に「すごく集中していて目の色が違う印象を受けた」と言われた馬場選手。本人は「あんまり…」と意識していなかったようだが、名古屋・安藤選手をマークすることもあり「大学のころからずっとマッチアップしていたので、やられるわけにはいかない、責任持って守と強い気持ちでいった」という。この日は13得点を挙げつつもアシスト6本をマークした。「ドライブをすることでディフェンスが寄ってくるので、そこで周りの状況を見られるようになってきていことでアシストも増えているのでは。今日はターンオーバーも0で納得いく試合だった」と自己評価した。
両チームは24日も同所で戦うが、A東京は勝利すればCS出場が決まる。田中選手は「早くCSを決めたい。今季はギラついているくらいの方がいいパフォーマンスが出るので、皆が戦う気持ちを出して全員で戦っていきたい」と意気込んだ。