日本の祭りを再興するため各地でみこしを担ぐ男性を追ったドキュメンタリー映画「MIKOSHI GUY 祭の男」が3月22日から、渋谷・宇田川町のミニシアター「アップリンク」(渋谷区宇田川町)で限定上映される。
主人公はみこしの修理や製作をする木工職人の宮田宣也さん。高齢化などから担ぎ手が減るなど「衰退しそうな」日本各地の祭りに都心部の若者や外国人留学生たちと足を運び、みこしを担いでいるほか、フランスやドイツなど海外でもみこしや祭りを伝える活動に取り組んでいる。宮田さんはこれまでに500基以上のみこしを担いできた。
そのきっかけとなったのは2011年に発生した東日本大震災。当時大学院生だった宮田さんは単身宮城県に赴き、ボランティア活動を行っていた。そこで、地元の人から「本当は祭りをやりたい」という声を受け、石巻市の新山神社に残っていた木を使って新しいみこしを作り、2013年にみこしを担いだ時に喜んだ地元の人たちの姿を見た時に「本質的なみこしの力を感じた」という。
宮田さんは「日本には数えきれない祭りがあり、どんな小さな祭りにもその祭りを守り、継承するために命を懸けた多くの人々の人生があった。しかし、集落から人が消え、産業が消え、祭りも消えそうになっている。過疎や災害、産業の後継者不足など日本の文化は危機に立たされている。祭りの本質を探究し、その力でこの時代を乗り切る方法を見つけられる。この映画を通して僕の挑戦を見ていただき、共に考えるきっかけになれば」とコメントを寄せる。
上映期間中は宮田さんやメガホンを取ったイノマタトシ監督、同作に出演する書道家の遠藤夕幻さんらが登壇するトークショーも予定する。
法被またははんてんでの来館客は500円引きとなる。今月29日まで。