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南平台のオフィスビル「渋谷ソラスタ」完工へ IoTや植物活用しワーカー支援

国道246号沿いの渋谷ソラスタ

国道246号沿いの渋谷ソラスタ

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 南平台の新オフィスビル「渋谷ソラスタ(SHIBUYA SOLASTA)」(渋谷区道玄坂1)が3月29日、完工する。事業主は東急不動産と地権者でつくる一般社団法人道玄坂121。

最上階の共用ラウンジ

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 大規模オフィスが少ないことから、新南平台東急ビル(1974年完工)、南平台東急ビル(1958年完工)、渋谷TODビル(1989年完工)、広井ビル(1974年完工)4棟を一体的に建て替える再開発として、2015年に本格始動した同所の再開発事業。ビル名は、「SOLA(空)+SOLAR(太陽)+STAGE(ステージ)」を組み合わせた造語で命名した。敷地面積は約4128平方メートルで、地下1階・地上21階の22フロア。延べ床面積は約4万6954平方メートル。高さは約107メートル。

 同ビルでは、共用スペースを設けるほか、テクノロジーの活用や、「植物の力」を取り入れることで、利便性や生産性の向上などワーカーの「働き方のサポート」を図る。

 地階~地上1階にわたって駐車場(86台)を整備し、ビルの東側と西側にはそれぞれ広場を設けた。東側の広場に面した区画には5月、「タリーズコーヒー」が出店を予定する。2階に位置するエントランスホールは、東側のメインエントランスから続く吹き抜けになっており天井高14メートルの開放的な空間になっている。同階には入居者向けのラウンジ「グリーン スクエア」を開設。同所でもタリーズコーヒーのコーヒー類を注文できる。

 3階には東急不動産100%子会社のライフ&ワークデザインが運営する会員制シェアオフィス「Business-Airport Shibuya Nanpeidai(ビジネスエアポート渋谷南平台)」が5月15日にオープン予定。4階にはグループ会社で貸し会議室・ホールを運営するインフィールド(千代田区)が6月1日、「渋谷ソラスタコンファレンス」を開業する。

 オフィスエリアは満室で完工を迎える。1フロア約1752平方メートルで天井高は2.9メートル。5~11階には8月をめどに東急不動産本社機能を移転。12~20階には、事業開発事業を手掛ける「VOYAGE GROUP」(渋谷区神泉町)をはじめとするITや飲食関連事業を手掛ける企業を中心に6社が入居する予定。コミュニケーションを喚起することを目的に、各フロアには全長約40メートルのテラスを設けている。

 最上階(21階)には入居者向けのテラスとラウンジを設けるほか、ダイバーシティー(多様性)への取り組みとしてオールジェンダー向けのトイレ(3室)や手足を洗う水場も備えた「祈祷室」、パウダールームも設置する。

 ビルではアプリ「My Place」を導入。スマートフォンやPCでフロア内の空調調整ができるほか、オフィスフロア内やトイレ以外の共用部にビーコン(電波受発信器)を設置し、ワーカーの位置情報をリアルタイムで確認できるようにする。ドアに開閉センサーを付けることでトイレの個室ブースの混雑状況を可視化。2階と21階の共用スペースは監視カメラで混雑状況を知ることができるようにする。

 地上階東側の広場には高さ13メートルのシンボルツリーを植えたほか、西側の広場は英ガーデンショー「チェルシーフラワーショー」で金賞も受賞した景観アーティスト石原和幸さんがプロデュース。エントランスホールには高さ5メートル近いベンジャミンを置き、フロアのラウンジ四方は緑で囲む。最上階のテラスにはヤマザクラやサルスベリ、イロハモミジなどの木々を植える。同階のラウンジ内では鳥のさえずりや水のせせらぎをハイレゾ音響設備で流す。

 東急不動産渋谷プロジェクト推進本部渋谷プロジェクト推進第二部事業企画グループ主任の広瀬拓哉さんは「ハード面に留まらない付加価値提供、働く場の提供だけでなく働き方を含めたサポート、オフィスづくりをサポートしたいと考えて新たな取り組みを行っている」と話す。

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