渋谷を拠点に活動するサッカークラブ「TOKYO CITY F.C.」が3月7日、長谷部健渋谷区長を表敬訪問した。
2014年、中学から大学まで青山学院に通っていた山内一樹社長らが設立した同クラブは、多様性やフラットな関係性など「ソーシャルな価値観」を持った人たちが集まり「ワクワクし続ける渋谷をフットボールで」とのビジョンを掲げる「ソーシャルフットボールクラブ」をうたう。昨シーズンからビジョンを実現するため、運営団体となるPLAYNEW(渋谷区円山町)の設立やチームの強化などに取り組んでいる。
山内社長は、サッカーの試合で「ワクワクさせる」ことだけでなく、試合前日に渋谷のスポーツバーでファンと監督がサッカー談義をしたり、試合が無い日にはサッカー選手が取り入れている体幹やメンタルのトレーニングを体験できるプログラムを区内の公園で提供したり、サッカーから誕生したコンテンツを区内で展開することで「スポーツを通した居場所」を作りたいという考えを示した。
区内での取り組みとしては今季、「きれいな街は、人の心もきれいにする」をコンセプトに街の清掃活動を展開する原宿・表参道発のNPO法人「green bird(グリーンバード)」とオフィシャルパートナー契約を締結。サッカーを通した社会課題の解決に取り組む意味を込めて、ユニホームの背中にグリーンバードのロゴを無償で掲出する。加えて、クラブと企業のパートナー契約メニューの一つとして「オフィシャルソーシャルパートナー契約」を追加。クラブとパートナー契約を結んだ企業が契約すると契約料の10%がグリーンバードへ寄付され、地位貢献につながるようにした。グリーンバードが運営する原宿のコミュニティースペース「subaCO」にチームのコーナーを設置する予定。
チームは平日の夜に2回ほど、代々木公園のフットサルコートで練習している。長谷部区長は、区が保有する「渋谷区二子玉川グラウンド(二子玉川区民運動施設)」や、2020年に完成を予定する区立宮下公園に計画しているビーチサッカーコートの利用などを提案。基本構想で「思わず身体を動かしたくなる街へ。」を掲げる中、身近な場所でスポーツができる環境づくりとして「遊戯道路」を考えていることから「道路を本拠地にしたら」とも。
山内社長は「面白い」と応えつつ、「始まったばかりのクラブだからこそ新しく始めるからこそできることもある。渋谷のためにできることに全力を尽くしたいし、渋谷生まれのクラブとして励みたい」と思いを伝えた。
この日は、キャプテンの鈴木峻多選手と、Jリーグ「名古屋グランパス」に所属しJリーグ1部(J1)優勝した経験を持つ阿部翔平選手も出席。長谷部区長は元日本代表選手でもある藤田俊哉さんと同じ年で「仲がいい」と話すと、阿部選手は同窓の先輩で名古屋グランパス時代に一緒にプレーした経験があることから会話が弾んだ。
クラブ今季節、J1から数えて8部に当たる東京都社会人サッカーリーグ2部(都2部)に所属しているが、毎年、各カテゴリーでリーグ優勝するとともにカテゴリーを上げ、2024年にJリーグ参入を目指している。長谷部区長は「ここから優勝しっぱなしということですね。楽しみにしている」と激励した。
TOKYO CITY F.C.は3月24日にエリース東京クラシックと2019シーズン開幕戦を行う。