Bリーグ・サンロッカーズ渋谷（以下、SR渋谷）が3月2日、川崎市とどろきアリーナで川崎ブレイブサンダース（同、川崎）と戦った。

ワールドカップ出場決定を祝し花束を受け取った日本代表選手たち

　日本代表戦のため3週間ぶりの試合となったBリーグ。試合前には、SR渋谷のベンドラメ礼生選手、川崎の篠山竜青選手、辻直人選手、ニック・ファジーカス選手の日本代表選手に花束を贈り、ワールドカップ出場決定を祝った。チケットが完売し集まった3912人から大きな拍手が送られた。ベンドラメ選手は「すごくうれしかった。今までこういうシーンを見てこなかったので、その現場にいられたのは幸せ」と喜んだ。

　試合は、山内盛久選手の3ポイント（P）シュートで先制したが、ファウルが続き得点が伸び悩む中、ライアン・ケリー選手を中心に得点を重ね3点リードで第2クオーター（Q）に突入。7試合ぶりに試合出場となった秋葉真司選手は3分ほどの出場ながらドライブ（ドリブルでゴールに迫るプレー）を仕掛けファウルを誘い、フリースロー2本をしっかり決めた。

　第3Qはターンオーバーやリバウンドからの速攻で中盤に逆転を許しながらも、広瀬健太選手が3P2本を含む8得点を挙げるなど食い下がる。最終Qオフィシャルタイムの時点で7点差を付けられたが、サクレ選手が得意のフックシュートやケリー選手のセカンドチャンスポイント、長谷川智也選手の3Pなどで追い上げ、残り41秒で再びリードを奪うことに成功。しかし残り21秒、川崎・藤井祐眞選手にフリースローを与えてしまい同点に追いつかれると、SR渋谷はすかさずタイムアウトを要求。最後の攻撃、チームの大黒柱であるサクレ選手にボールを託すもシュートはゴールに嫌われ、ケリー選手がリバウンドからセカンドショットを狙うも決め切れず71-71の同点で延長に突入。疲労が見られた延長戦はプレーに精彩を欠き80-89で敗れた。

　伊佐勉ヘッドコーチは「やりたいバスケをさせてもらえない中で勝つチャンスはいくつかあったが、4Qでしっかり勝ち切れなかったのが大きかった。しっかりベンチワークをして勝たせられなかったのが悔しい」と肩を落とした。

　最終Q残り21秒でフリースローを得ながらも2本外してしまったベンドラメ選手は「決めるべきシュートだった。今日はあそこが全て。自分に決め切る力が無かった」と言葉少なく悔しさをにじませた。

　26得点・リバウンド21本をマークしたケリー選手は「バイウイーク明けでみんな明らかに気合いが入っていたが、もう少しで勝てたものを自分たちで落としてしまったのでがっかり。ただ、接戦を演じられたのはビルドアップとしてはいい経験を詰めているのでは」と振り返る。この日はセカンドチャンスポイントが目立ったが「（マッチアップしていた川崎のシェーン・）エドワーズ選手とは身長の面でアドバンテージがあったので、スクリーンをかけてしっかりギャップを作れた」と好感触をうかがわせた。バイウイーク中に一時帰国して「心身共にリフレッシュした」と言い、「試合勘は取り戻せていない感じがあり、ミスもあったが良い感覚はつかめている。全てのポゼッションでしっかり相手と戦えていたし、明日はもっと良くなる」とリベンジに燃える。

　両チームは3日も同所で戦う。