国が2020年をめどに準備を進める羽田空港の国際線増便に向け、渋谷駅や代々木公園上空なども通る計画となっている新ルートに関する住民説明会が2月18日から順次、渋谷区内の各所で開かれる。
訪日外国人旅行者の増加や地方活性化、2020年東京オリンピック・パラリンピックの円滑な開催などの観点から、首都圏空港の機能強化の一環で国が増便を目指す羽田空港の国際線。東京湾上空の飛行経路で海側から到着・出発する現在の方法や新滑走路の想定では発着回数を大幅に増やすことができず、「今ある施設を賢く使う方法」として、滑走路の使い方見直しを含む新飛行経路での増便に向け準備を進める。
計画する新たなルートでは都心部上空を高度約600メートルで飛行する箇所や旋回する経路などもあり、地元住民らに向け昨年から順次説明会を開いてきた。広域渋谷圏では、2月18日(15時~19時)の恵比寿ガーデンプレイス内ガーデンルームを皮切りに、同22日(15時~19時)に千駄ヶ谷社会教育館、同23日(13時~17時)に地域交流センター恵比寿で、それぞれ説明会を開く。
いずれもオープンハウス型の説明会で、新ルートに関するパネル展示や動画上映、パンフレット配布などで理解を求める。ヘッドホンを付けて騒音を体験できるサウンドシミュレーターも用意するほか、質問などがあればスタッフが個別に対応。意見はコメントカードに書けるという。
渋谷区内で新たに計画する主な運航経路は、「南風時A滑走路到着(好天時)」(毎時14便程度)が恵比寿駅付近~渋谷駅付近~代々木八幡駅付近の上空を通るルート、「南風時C滑走路到着(好天時)」(同30便程度)が広尾駅付近~表参道駅付近~北参道駅付近の上空を通るルート。
滑走路は、南風運用が年間約4割を想定し、運用時間は15時~19時(切り替え時間を含め実質約3時間)。音は、滑走路から約12キロの距離となる恵比寿・渋谷エリアなどで、高速走行中の自動車内などと同様の約68~74デシベルが最大瞬間値となる見込み。