Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が1月26日、アリーナ立川立飛で大阪エヴェッサ(同、大阪)と対戦した。観客数は2712人。
この日、チームハイタイの19点を挙げるなどしてヒーローの一人に選ばれた馬場雄大選手。そんな馬場選手に火を付けたのは、第2クオーター(Q)でマークについていた馬場選手をフェイントでかわしてシュートを決めた大阪・熊谷(くまがえ)尚也選手。その瞬間「バチっと」スイッチが入ったと言い、「自分では意識していたわけじゃないが…分かりやすいですかね」と苦笑した。
馬場選手は第2Q終盤にはバスケットカウント(シュートに加えフリースロー)となるレイバック(リングを通過して決めるレイアップ)を決めたほか、第3Qには逆転のダンクを決めた。最終Qには、前節の千葉ジェッツ戦は「集中力が切れて」敗戦したことから「積極的に狙うようにした」と言う、外角のシュートで得点を重ね勝利に貢献した。
ルカ・パヴィチェヴィッチベッドコーチ(HC)が「スローな展開で大阪のペースだった」と振り返った前半。第1Qから大坂がトレバー・ムバクウェ選手、ジョシュ・ハレルソン選手を中心に得点を重ねてくる中、A東京はスクリーンに対してもスイッチせず(=マークマンを変えることなく)ディフェンス(DF)したことで外角を中心にシュートチャンス与えてしまう。「DFが機能せずオフェンス(OF)にも影響が出て」(馬場選手)、第1Qはチームのシュート率が35.3%と落ち込んだが、エース田中大貴選手がピック&ロール(スクリーンを使ったオフェンスの一種)から連続で得点を挙げるなど食らいつくも最大12点差を付けられた。
ハーフタイムで「ハードにDFし、一つ一つ積み重ねていこう」と話したというA東京。強度の上がったDFに大阪のシュートが外れ始め、アレックス・カーク選手がインサイドで体を張り、ファウルを得て決めたフリースローなどで点差を詰めると、「逆転するなら今だ」とリバウンドからの速攻に馬場選手が走りレイアップで同点に追い付くと、直後にカーク選手のブロックショット(シュートブロック)から再び馬場選手が走りダンクで逆転に成功した。最終Qは約4分大阪の得点を抑えるなど堅守を見せ85-70で勝利を収めた。
「諦めずに戦ってくれた」と選手たちをたたえたパヴィチェヴィッチHC。「DFが鍵」だった後半は、大阪のムヴァクウェ選手やハレルソン選手に付いていたカーク選手やミルコ・ヴィエリツァ選手らビッグマンに「もっとタイトに」守るよう指示したという。その結果後半は49-25と「前半とは真逆の展開で巻き返した」と振り返った。
馬場選手は「DFは気持ち次第でどうにかなる。得点を決められても集中を切らさず、継続してやろうと話していた」と言い、「後半でDFのアジャストができたことによって走れて自分たちの勢いが出た。改めてDFのチームだと感じた」と話した。速攻で得点を挙げるシーンが目立ったが、「アイコンタクトも取っているが、普段から先輩たちにも『絶対前にいるので探して』と言っている。それで見つけてくれるようになった」と要因を分析する。
シーズンも後半に突入した。馬場選手は「自分たちのバスケが変わらない中で、相手がどうしてくるかに対応する受け身のプレーだと感じている。やっているバスケットは正しいと思うが、何とも言えない重さがある。チャンピオンシップに向けて仕上げていきたい」と気を引き締める。
両チームは27日も同所で戦う。