東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)2階展示室で現在、企画展「小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家vol.15」が開催されている。
「将来性のある」作家の発掘などを目的に、新しい創造活動展開の場として2002年から開催している同展。15回目となる今回は5人の作家に焦点を当て、それぞれの作品に込められた「たしかなこと」に迫る。
2013年に木村伊兵衛写真賞を受賞した森栄喜さんは、親しくしている40組の友人やカップル、夫婦など夫婦と共に、彼らの普段着を着た自身も加わってセルフタイマーで撮影した写真シリーズ「Family Regained」などを展示。「家族」を主題にした作品で、写真は全体を赤くプリントしている。
細倉真弓さんの「川崎」シリーズは、月刊誌「サイゾー」で2016年1月~2017年4月号に掲載されていたライター磯部涼さんの連載「ルポ川崎」の取材に同行し撮影した写真で構成する。展示エリアは照明を落とし、壁面には雑誌の見開きページのような長方形の照明を当てる。その中に、雑誌で掲載していた時と同じような配置で写真を展示。雑誌で掲載した写真を、テキストやキャプションが無い中でリ・プレゼンしている。
石野郁和(ふみ)さんの新作は、視覚や言語からくる揺らぎ、解釈の違いを「フラットなメディア」である写真で表現を図った作品で、日本人とアメリカ人が異なるものを想像するものとして「Melon Cream Soda Float」とタイトルを付けている。
開館時間は10時~18時(木曜・金曜は20時まで)。観覧料は、一般=700円、学生=600円ほか。月曜休館。1月27日まで。