和太鼓エンターテインメント集団「DRUM TAO(ドラムタオ)」(以下、タオ)のステージ「RHYTHM of TRIBE~時空旅行記~FINAL」が2月、渋谷「Bunkamuraオーチャードホール」(渋谷区道玄坂2)で上演される。1月15日、タオのメンバーらが会見を開いた。
1993年に結成し大分を拠点に活動するタオ。現在メンバーは44人で、海外ツアーも行うA組、「東京常設劇場」での公演などに出演するK組、新人で構成するG組の3グループで年間約500公演を行っている。A組による「RHYTHM of TRIBE~時空旅行記~」は、「日本再発見」をテーマに現代の若者が時空を超えて旅するストーリーで、今回の渋谷公演は昨年5月からの公演の集大成になる。A組とK組のメンバーを中心に約30人が出演する予定。
物語はビル群の広がる現代のシーンから始まる。若者たちが海で嵐に巻きこまれ、プロジェクションマッピングで映し出される巨大なザトウクジラが浮世絵に変わると、時空を超えて舞台は江戸の町に変わる。そこで、カラフルなかつらによる「毛振り」などの歌舞伎、花魁、忍者などが登場する。セリフのない「映画のような作品」として、「映像などを使って曲が途切れないようにし、最後までストーリーが流れていく」(座長でA組リーダーの西亜里沙さん)ように仕上げた。
公演では、和太鼓を中心にしの笛や三味線、琴などの楽器が登場するほか、映像クリエーティブ集団「ZERO-TEN」によるプロジェクションマッピング、デザイナーのコシノジュンコさんが手掛ける衣装が舞台に彩りを添える。西さんは「『狐火』という楽曲ですごく豪華な衣装が出てくる。その曲でしか登場しない衣装な上、歩いて通り過ぎていくだけなので見逃さないでほしい」と話す。
「東京オリンピックを意識し、日本再発見というテーマを掲げた」というタオ・エンターテイメント(福岡県福岡市)社長で演出家の藤高郁夫(フランコドラオ)さんは「海外の方が日本に来た時、日本を感じられるもの見たいと思うのでは。その時に日本人が日本のモノを使ったエンターテインメントをできたらという思いがあり、僕らがもう一回日本を勉強する必要もあった。そのために、日光江戸村にも3回行ったし、甲冑(かっちゅう)を着たり城巡りをしたり、所作の勉強もした」と振り返る。
西さんは「初期からものすごくブラッシュアップされて、メンバーの気持ちも一つになり、お客さまとの一体感も感じられるショーに仕上がった。たくさんの方と一体となるショーをお届けしたい」と意欲を見せる。
K組リーダーの岸野央明(ひろあき)さんは「日々リハーサルをし、演出も変える。公演回数も普通じゃないくらいやってきた中での最終的な形を披露できる。一番いい状態に仕上がったステージができるのでは」と自信を見せる。「フィナーレの『ワッショイ』という曲でお客さんとリンクするパフォーマンスがある。一番一体感を得られる場所で、その日成功したかどうかが分かる。パリ公演でも多くの方がやってくれたので、オーチャードでもそうなるようにしたい」と意気込む。
公演日は2月6日~8日(全4公演)。公演時間は1時間40分。鑑賞料は、S席(1・2階)=8,500円、A席(3階)=6,000円。