東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)3階展示室で現在、企画展「建物×写真 ここのみに在(あ)る光」が開催されている。
現存する最古の写真は仏発明家ジョセフ・ニセフォール・ニエプスが撮影した写真。ニエプスが撮影した写真の一枚は窓から見える景色(建物)で、初期の写真技術では長時間露光が必要だったことから、当時は建物など動かない物が被写体になっていたという。同展では同館のコレクションを中心に建物を写した作品を展示し、どのような建物が写されてきたか、「写真家がどのように建物を捉えてきたのか」を紹介する。
同館のコレクションの中から、建物の写真を集積する第1章「建築写真の歴史」では、初期の撮影技法「ダゲレオタイプ(銀板写真)」や19世紀に撮影されたパリのノートルダム寺院(ジャン=ルイ・アンリ・ル・セック)、ルーブル宮殿(エドゥアール=ドニ・バルデュス)、フェリーチェ・ベアトの「愛宕山から見た江戸のパノラマ」、ウオーター・フロントなどベレニス・アボットが撮影したニューヨークの写真などが並ぶ。
第2章「建築写真の多様性」では、同館のコレクションを中心に、写真家11人が建築をテーマに撮影した作品を展示する。作品は、紫綬褒章を受章するなどしている奈良原一高(いっこう)さんが大学院時代に撮影した長崎・端島(通称=軍艦島)、村井修さんが撮影した丹下健三の国立代々木競技場(旧国立屋内総合競技場)、細江英公(えいこう)さんが撮影したアントニ・ガウディのサクラダ・ファミリア、宮本隆司さんが撮影した香港にあったスラム街「九龍城砦」、瀧本幹也さんが撮影したル・コルビュジエの「ロンシャンの礼拝堂」など。
開館時間は10時~18時(木曜・金曜は20時まで)。観覧料は、一般=600円、学生=500円ほか。月曜休館(12月24日・1月14日は開館、12月25日~1月1日、1月15日7月16日は休館)。1月27日まで。