Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が12月9日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で大阪エヴェッサ(同、大阪)と戦った。観客数は2034人。
ロースコアの接戦を勝利し迎えた2日目。伊佐勉ヘッドコーチが「良かった」と話す出だしは、杉浦佑成選手の3ポイント(P)シュートで先制すると、ドライブ(ドリブルでゴールに攻め込むプレー)からのキックアウトでロバート・サクレ選手やライアン・ケリー選手の得点も続き9対0とリードを奪った。4点リードで第2クオーター(Q)に入るもオフェンスが停滞。サクレ選手が連続で得点を重ねるも逆転を許し、32対37で前半を折り返した。
24秒バイオレーションを取るなど大阪を8点に抑えるディフェンスを見せた第3Qには、積極的に速攻を仕掛けていく姿が見られた。終盤に長谷川智也選手のアシストで3Pを決めたケリー選手が、大阪のミスから残り37秒にも3Pを決め逆転したが点差は2点で、勝負の行方は最終Qに委ねられた。最終Q早々に同点に追い付かれたSR渋谷だったが、ミスマッチを生かした満原優樹選手のゴール下や、長谷川選手のスチール(ボールを奪うプレー)からの得点で徐々に点差を広げることに成功。終盤、オフェンスリバウンドで得たチャンスから3Pを決めた山内盛久選手は、セットプレーではゴール下に飛び込み加点し大坂の追い上げを振り払い、64対58で勝利した。大阪には昨シーズンSR渋谷でプレーしたジョシュ・ハレルソン選手やジャマール・ソープ選手も在籍している。試合後には抱擁を交わし健闘をたたえ合った。
伊佐勉ヘッドコーチは「2Q辺りから足が止まってしまいオフェンスが重くなる時間が多くなった。後半はゲームプランを少し変えて、選手がしっかり遂行してくれて、最後は自分たちのバスケットの形になって徐々に点数が開いたのかな」と振り返り、「やっと各選手のいいところ、強み弱みがみんな分かってきて、チームでいい仕事ができている実感が徐々に湧いてきている。崩れないチーム、メンタル的に勝つ集団、戦う集団を作っていきたい」とさらなるステップアップを目指す。
山内選手は「前半いい出だしで入れたが、僕がベンチから出てリズムを崩してしまったところがあるので、後半は『思いっきりいこう』と切り替えて後半臨んだ」ことが終盤の躍動につながったと分析。チームは5連勝となり、10勝11敗となった。「チームとしても上がってきている」と手応えをうかがわせつつ、「いい時こそ、自分たちが負けている時に大事にしていた小さなことがおろそかになりがちなので、勝っている時こそ気を引き締めてやっていかなければ」と油断しない。
この日のハーフタイムには、SR渋谷の元選手でチームアンバサダーの酒井泰滋さんが、今月14日に公開される映画「春待つ僕ら」のPRで登場。バスケ部の高校生たちを描いた青春映画で、酒井さんは当初、バスケの監修で参加していたが対戦相手チームの監督役で出演することに。「セリフが無かったのでNGなくバッチリ決めたが、同じシーンでもいろいろな角度から何回も撮るなど貴重な経験になった」と話した。
SR渋谷は今月12日にアウェーで秋田と戦い、15日・16日にホームで三遠ネオフェニックスと戦う。