アパレル大手ワールドグループの新メンズブランドの路面店「UNBUILT(アンビルト)TAKEO KIKUCHI渋谷」(渋谷区渋谷3、TEL 03-6450-6990)が12月7日、渋谷ストリーム近くにオープンした。経営はエクスプローラーズトーキョー(神戸市中央区)。
オーダースーツをはじめ、ファッションレンタル、ストレージ(衣料品の保管)に対応するDtoC(Direct to Consumer)事業への参入となる同ブランド。ワールドの中心事業であるアパレルにデジタルを掛け合わせた新しいサービスとなる。
働き方の多様化やオフィスのカジュアル化に伴い、メンズのビジネスウエア市場では「既成スーツの落ち込みが激しい」ことから、オーダースーツへの参入が続いている。しかし、同社では「ユーザーニーズを満たしていないのでは」と考え、フルオーダーだけでなく、「悩みたくない」「決められない」という人に向けたスタイリング提案、「持ちたくない」ニーズに合わせたストレージやレンタルなど、さまざまなサービスを展開することで利用客と多角的に接点を作る。コアターゲットは30代のビジネスマンだが、ノンエイジで幅広い男性へ提案を図るという。
オーダー時に必要な採寸は初回のみ店頭で行う。そのための場ともなる1号店が渋谷店となる。渋谷ストリームが開業し「人の流れが変わってきている」ことを背景に、渋谷はカジュアルなカルチャーの印象が強い中、新南口周辺にはさまざまな企業があり、スーツ姿の人も多く、「渋谷でいうとビジネスの中心地」と判断した。店舗面積は40坪。スタッフがコンサルティングしながら決めるフルアテンドだけでなく、窓際にはタブレットを置いたカウンターを用意し、1人で考えられる空間も用意する。
同ブランドではシーズンごとに働き方や用途に合わせた、お薦めのスタイリング24種類を用意。店頭では、各スタイリングを縦長のコンテナの中に収納。気になるスタイリングの引き出しを開けてスタイリングを見ることができるほか、コンテナに付いているQRコードを読み込むと、公式サイトのスタイリングページにアクセスできる。採寸さえしていれば、ネットで注文も可能。オーダーシステムは、ワールドが3月に資本業務提携を結んだITベンチャー「オムニス」が開発した。
プロダクト面では、メンズブランド「タケオキクチ」で培ってきたリソースを活用する。縫製は、20年付き合いがあるという紳士服の製造などを手掛ける「センチュリーテクノ」の青森・弘前工場で一貫生産することで、「高品質・安定供給でも(他者より)上回れる」と考える。商品は最短10日で仕上げ、受け取りは自宅配送か店頭かを選べる。
2018年秋冬の価格帯は、オーダーセットアップ(スーツ)=3万9,000円~7万9,000円、オーダージャケット=2万7,000円~5万4,000円、オーダーパンツ=1万3,000円~2万9,000円、オーダーシャツ=8,000円~1万5,000円。オーダー注文客にはストレージ(保管サービス)=1,680円~(半年間・1箱)も用意する。シューズ(8,000円~1万7,000円)などの服飾雑貨だけでなく、ボールペンやノート、ファイルなどオフィスでも使える雑貨(100円~5,000円)も扱う。価格は全て税別。2019年春夏シーズンからはネクタイのレンタルも始めるという。
営業時間は11時~21時。