JR渋谷駅の中央改札と埼京線・湘南新宿ラインのホーム(以下、埼京線ホーム)をつなぐ連絡通路が11月30日に廃止され、12月1日に新たな仮連絡通路の供用が始まった。
山手線ホームとの並列化に向け、2020年春の完成をめどに移設工事が進む埼京線ホーム。移設による駅周辺の線路切り替えやホーム新設に伴い妨げとなる旧連絡通路について、JR東日本は今後「順次撤去していく」としている。ホーム階に新たに開通した仮連絡通路は、3・4番線ホームからそのまま中央改札方面に伸びるもので、電車とホームの間には柵や壁を設け、ホームと旧連絡通路の階段などの昇降設備は全て封鎖された。コンコース、連絡通路共に右側通行を呼び掛けている。
中央改札から埼京線ホームに向かう場合、中央改札を入ってすぐの場所に設けられた仮コンコースの階段・スロープをいったん上り、その先の昇降設備(階段・エスカレーター・エレベーター)でホーム階に下る。ホーム延長線上の仮連絡通路を新南口方面に歩くと、そのまま3・4番ホームに着く。所要時間は4分ほど。新南口改札との上下移動はこれまでと変わらない。連絡通路では一部で柱により通路が狭くなっている場所や天井が低い箇所があり、矢印や標識、誘導員による声掛けなどで注意を喚起している。
新連絡通路が開通して初の平日となった3日、利用客からは「狭くなった」「ダンジョンが複雑化した」などの声や「進化していて面白い」などの声が聞かれた。
駅周辺で進む再開発に合わせて、乗り換えの利便性向上、駅構内の混雑緩和、バリアフリーなどを目的に改良工事を進めているJR渋谷駅。駅南側に離れている埼京線ホームを山手線ホームと並列化し、現在内回り・外回りの2面に分かれている山手線ホームも改築、1面2線化(ホーム幅員=最大16メートル)する。ホーム移設の準備工事として、5月には埼京線上り線路の切り替え工事を行い、埼京線ホームには現在、最大1メートルを超える段差ができるなど、順次工程が進んでいる。
廃止された旧連絡通路は、中央改札コンコースと埼京線ホームを約270メートルにわたりつなぎ、廃止前には「終電に間に合うように必死に走ったことを思い出す」「いつも利用していたから歩き納め」など思い出を語るコメントもツイッターなどにあふれた。JR東日本によると、移設後、現在使われている埼京線ホームの撤去や活用などについては「未定」。改札口を含めた駅機能を国道246号線の北側に集約する計画の中で、新南口改札については「現在の位置からは無くす方向で検討している」という。