渋谷・神泉のイタリアンレストラン「Pioppino(ピオッピーノ)」(渋谷区神泉町、TEL 03-3462-8790)が12月10日、閉店する。
1989年に南平台にオープンした「PECO」のオーナー・店名が変わる形で2007年、神泉駅近くの旧山手通り沿いにオープンした同店。南平台店の元オーナーは自由が丘の人気ピザ店「Peco(ペコ)」(昨年閉店)に務めていた経験を持ち、ニンニクの利いたスープパスタや生クリームを使ったピザなど個性のあるメニューを考案。神泉に店が移ってからも厨房(ちゅうぼう)に立ち、その味を現店長の池谷(いけがや)健一郎さん(39)が受け継いだ。
常連客も多く、「食べるものが決まっている方が多い」(池谷さん)と言う看板メニューは、炒めたチキンとシメジを生クリームで煮詰めたソースが「トロッとした」食感の「元祖チキンクリーム」(S=1,650円、M=2,450円)やニンニク、ゴーダチーズをのせた薄焼きタイプの「イタセンガーリック」(1,000円)などのピザのほか、元々賄いメニューだったという、丼皿で提供する「ラーメンのような」パスタ「ニンニクと赤唐辛子のスープパスタ」(1,200円)など。パプリカ・セロリ・ルッコラなどの野菜を生ニンニクのみじん切りが入ったオリジナルドレッシングで食べる「ペコサラダ」(ハーフ=800円、レギュラー=1,200円)など、ピザやパスタ以外の定番メニューも。
閉店は入居するビルの取り壊しによるもの。洗足駅近くの系列店「オステリア・ペコ」(目黒区)でもクリームピザやスープパスタを提供しているが、スープパスタは「だしが違う。麺もこちらの方が細い。1杯にニンニク5個以上は入っている」などと特徴を挙げ、「(元オーナーから)最後に直接教わった味。同じ味が無くなってしまうのはもったいない」と、長年作り続けてきた味には思い入れがある。「南平台時代から通ってくださる方や親子で常連の方もいた。いつか良い場所が見つかれば、このスープパスタやクリームピザの店を出したい」とも。
パスタのみを提供するランチタイムは、閉店を知った客の来店もあり「かなり混雑している状況」。ディナーも「予約が埋まってきている」と言い、早めの予約を勧めている。
営業時間は、ランチ=11時45分~15時(土曜・日曜・祝日は12時~16時)、ディナー=17時30分~23時(日曜・祝日は22時30分まで)。水曜定休。