バイオリニスト葉加瀬太郎さんの絵画展が現在、代官山・旧山手通り沿いの「ヒルサイドフォーラム」(渋谷区猿楽町)で開催されている。
「情熱大陸」のオープニング曲を手掛けたことなどで知られる葉加瀬さん。東京芸術大学在学中に美術学部の学生たちに「触発され」、キャンバスに絵を描き始め、1996年に初の展覧会を開催。音楽家の活動と並行して作品を制作し続け、定期的に展覧会も開いている。
今年50歳を迎えたことに合わせ開く同展は、1996年の初個展から現在までに制作した約900点の中から葉加瀬さんが「お気に入り」という作品約70点を選んだ。「描き始めたころからスタートして、どういう絵を描いていきたくなったのかを順番に並べたくなった」と、年代順に並べている。「久しぶりに合った」という作品「生きる」(1996年)は、子ども向けの絵描きソフト「キッドピクス」で下絵を描き、ネガに焼いて、プロジェクターでキャンバスに投射して描いた作品という。
そのほか、バリ島で受けた衝撃で描いたという「神々」シリーズ、ベートーベンやブラームス、ビバルディなど作曲家の顔を新聞や雑誌の切り抜きで作ったコラージュ作品なども並ぶ。赤いワンピースを着た「夏の終わり」、妊婦を描いた「受胎告知」(以上、1999年)は、妻・高田万由子さんがモデルという。10年ほど前から手掛けている、さまざまな作品を組み合わせて一つの作品に仕上げる「Windows」シリーズは、園児20人とコラボレーション制作した新作を展示する。葉加瀬さんは「腹が痛くなるほど笑った、楽しい時間だった」と振り返る。
開催時間は11時~19時。入場料は500円(高校生以下無料)。今月25日まで。