3人制バスケ「3x3(スリー・バイ・スリー)」の大会「シブヤトーナメント」が11月11日、渋谷ストリーム(渋谷区渋谷2)稲荷橋広場で行われた。主催は朝日新聞社。
全国高校バスケ大会(ウインターカップ)に主催社の1社として参画しているほか、5人制プロバスケBリーグにも協賛している同社が初開催した。「バスケットに注力していきたい」と考える中、2020年の東京五輪の競技でもある3x3に着目。1964(昭和39)年の東京五輪でバスケ会場として建設された国立代々木競技場第二体育館があることや、3x3やBリーグのチームが拠点にしているなど「バスケの聖地」である渋谷での開催を決め、「マーケット的にいない」という大学生を対象にした大会を企画した。
ツイッターでの告知をはじめ、区内の大学やスポーツショップでのチラシ配布、ポスター掲出などで参加チームを募集。当初は男女各30チームほどを集めたかったというが、参加したのは男子22チーム、女子8チームとなった。男子は10月27日に国学院大学(東1)体育館で予選を行い、勝ち抜いた8チームがこの日の決勝トーナメントに進出した。当日は広場に専用の床材を敷き、ゴールを配置してコートを作り、広場に面した大階段の一部を観客席とした。
午前から始まったトーナメントの途中には、日本代表選手を擁する渋谷のプロ3x3チーム「東京DIME」の小松昌弘選手、森本由樹選手、相原渚選手が大学生たちと戦ったほか、区内の中学生によるエキシビションマッチも行われた。渋谷駅の出入り口から近い場所であることや、商業施設前の広場とう立地もあり、来街者が立ち寄って見ていく姿も多く見られた。
優勝チームは、男子が「Queen」、女子が「暇人の集い」となった。Queenは大会に向けて結成したチームで、4人中2人のメンバーが3x3未経験者だったという。ショットクロック(攻撃中にシュートを打たなくてはいけない時間)が5人制の半分の12秒であることや、ボールのサイズが異なることに苦労したという。「ギャラリーがたくさんいてプロになったような気持ちで楽しかった」「目立ちたがり屋な部分もあり、『格好悪いところは見せられない』と気持ちも高まった」と同所での開催を楽しんだ様子だった。
男子の優勝セレモニーには、渋谷区をホームタウンに活動するBリーグのサンロッカーズ渋谷から秋葉真司選手も参加。3x3はプレーしたことが無いというが「興味はある」と言い、「5人制よりもフィジカルさ、個々のスキルが求められるのかな」と印象を話した。入団後初のイベント参加となったこの日。「今までいたチームも地域活動が多かったのでイベントは慣れていたが、渋谷は盛り上がりがすごい」と驚いた様子を見せた。チームは今月17日・18日に青山学院記念館(渋谷4)で試合を控えていることもあり、「3連勝していていい波に乗っているところなので、より熱い試合を見せられると思うので期待して一緒に戦ってほしい」と呼び掛けた。
大会を後援した長谷部健渋谷区長は「渋谷は都心なので、スポーツをする場所が限られているが、いろいろな場所を活用して、工夫してスポーツ振興を図っていきたい。この大会が根付いて秋の風物詩となって、3x3が盛り上がることを願っている」とあいさつした。
年に1回の定期開催を目指す同大会。朝日新聞社オリンピックパラリンピック・スポーツ戦略室の岡田亮さんは「期待以上にはポテンシャルがあると感じたので、さらに発展させたい。『リベンジしたい』という声も上がっていたので、次回は(参加チームが)倍くらいになれば」と期待を寄せる。