サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が11月11日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)でシーホース三河(同、三河)と対戦した。観客数は1952人。
終盤に得点を挙げチームメートから熱烈な歓迎を受けた満原優樹選手
前日逆転勝利を収めたSR渋谷。その試合で流れを引き寄せた展開の速いオフェンス(OF)に持ち込もうと、伊藤駿(たかし)選手が序盤から速攻を仕掛けテンポを上げていく。一進一退の攻防が続く中、第3クオーター(Q)には全員でリバウンドを取りに行き、最大9点差を奪うことに成功。最終Qには一時逆転を許すもディフェンス(DF)リバウンドからチャンスを作り、リードを奪い返した。
79対77で迎えた残り36秒にはライアン・ケリー選手がスチール(ボールを奪うプレー)からボールを運ぶと、コーナーに構えていた満原優樹選手にパス。満原選手はフェイントでDFをかわしミドルレンジのジャンプショットを決め、81対77とリードを広げた。満原選手は「(自分の)DFがライアンにヘルプに行くと分かっていたので、コーナーでスペースを取っていた。決め切れていないシュートだったが、練習しているシュート。落ち着いて打てたのは大きかった」と振り返った。直後に三河がタイムアウトを要求すると、ベンチに戻った満原選手は仲間たちから熱烈な歓迎を受けたが「まだ気が抜ける点差ではなかったので」と、当の本人はクールに対応。2Q序盤に出場して以降プレーをしていなかったが、伊佐勉ヘッドコーチ(HC)も「さすがプロだと感心した」と評価した。
81対79で迎えた最後のプレーは、三河がオフェンスでケリー選手とジェームズ・サザランド選手の1対1となった。「プレーが始まったタイミングで仕掛けてくると分かっていた」というケリー選手。「前のポゼッションからユーロステップ(DFの前を横切るようなステップ)を使って得点を挙げていたので、どういうかたちでアタックしてくるかはある程度予測していた」上で、ファウルをするかアタックさせるかを考えていたという。結果的にファウルせずにアタックさせたが、シュートはリングに嫌われSR渋谷が勝利。SR渋谷は前節のレバンガ北海道戦から3連勝となった。
ケリー選手はこの日、18得点挙げるとともにリバウンド21本を取っている。「自分ができること、目の前のやるべきことをやり続けた結果」と振り返りつつ、サクレ選手が30得点をマークしたことに触れ「ロブ(=サクレ選手)がスコアに集中していたので、自分がリバウンドの役目を担うことができた」と話した。「ファイトし続けたこと」を勝因に挙げ、黒星が先行する中「上に上っていくしかない状況で、チームが良くなってきているのかな」と手応えをうかがわせた。「ホームのファンの前でプレーするのは気持ちいい。(連勝を)待っていてくれてありがとう」とも。
伊佐HCが「プラン通り進んだ」と振り返るよう、満原選手も「我慢できた」ことを勝因に挙げた。その一つとして、前日17点を挙げていたリーグ屈指のシューターである三河・金丸晃輔選手を「全員で守ること」を意識したという。その金丸選手は内転筋を痛めていることもあり最終Qは出場しなかったが、第3Qまでにシュート数3本、2点に抑えた。
伊佐HCは「課題は盛りだくさんで、やりたいことの30%くらいしかできていない。その中でもゲームしながらやろうと努力し、成長しているので勝ち切ったのは良かった」と勝利を喜んだ。勝つことで自らの「自信にもつながる」と言い、「選手には土曜に集中しろと言って、昨日勝ってからは『日曜に集中しろって言ったよな』と話したらスベった(笑い)」と軽口も聞かれるようになった。
満原選手は「3連勝が自信につながってきている。やっていることが間違っていないというのが確信に変わってきている」と手応えをうかがわせつつ「結果は負け越しているので、余裕はない。その試合ごとに決められたプランを信じてプレーし、我慢して勝ちたい」と次節を見据える。
SR渋谷は今月17日・18日に、同所で京都ハンナリーズと戦う。