サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が11月3日、千葉ジェッツふなばし(同、千葉)と戦った。会場は船橋アリーナ、観客数は4831人。
8連勝中の千葉を最後まで苦しめたSR渋谷。試合は今季初のオーバータイムまでもつれ込み、残り0.5秒で2点を追うSR渋谷がオフェンス場面。ロバート・サクレ選手を狙ったコートサイドからのスローインは逸れてしまったが、空いていたスペースに走り込んだ山内盛久選手がワンハンドでシュートを放つもリングを揺らすことはできず、83対85で敗れた。
序盤からリードを奪う展開を見せたSR渋谷は、「練習中から調子が良く、準備はできていた」という伊藤駿(たかし)選手が今季初のスターティングメンバーとして出場。ガードながらポストアップからベンドレメ礼生選手の得点をアシストしたり、フリーの3ポイント(P)シュートを確実に決めたりとゲームの流れを作った。その流れを引き継いだ山内盛久選手は「(千葉は)ディフェンスがルーズな部分がある。リングを見て前に進むことでぼろが出てくる」と、バスケットカウント(得点に加えてフリースロー)を得るレイアップを決めたり、リバウンドから速攻を出して仲間の得点をアシストしたり積極的な姿勢を見せた。第2クオーター(Q)残り0.3秒では、セットプレーから満原優樹選手が片手で放った3Pが決まるなど、運も味方に付け43対39で前半を折り返した。
後半序盤は、パワーフォワードとして出場していたライアン・ケリー選手が「クイックネスでアドバンテージがあった」と、ファウルを誘い連続でフリースローを決めた。「立ち向かう、戦う姿を見せたかった」というケリー選手は同Qで10得点を挙げ、そのうち2本はダンクシュートでこの日は計4本のダンクを決めることとなった。最終Qはシーソーゲームとなり残り1分9秒で5点のリードを奪っていたが、タイムアウトを要求した千葉が以降連続得点を決め延長に突入。5分の延長は最後0.5秒で千葉がファウルで得たフリースローを確実に決め、勝利を手にした。
最大12点差を奪いながらも勝利をつかめなかったSR渋谷。その要因として伊佐勉ヘッドコーチ(HC)や選手たちが口をそろえたのが「要所でのミス」。第4Q残り6秒でボールを持っていたケリー選手が、延長残り21秒では山内選手がターンオーバーで千葉にチャンスを与える結果となった。加えて「リバウンドからセカンドチャンスを決められ、じわじわ詰められた」(山内選手)とも振り返る。延長残り0.5秒で執念を見せた山内選手は「その前に自分がミスをしてしまったので、何が何でも取り返したかった。あのような軽率なプレーをしないようにしないと」と肩を落とした。
伊佐HCは「ハイレベルなバスケをしている千葉相手に戦い抜けている印象はあった」と振り返りつつ、「いくつも勝つチャンスがあったが勝ったのは千葉。勝ち切るチームになっていきたい」と話す。
ほぼ千葉ファンの完全アウェーの中での戦いとなったが、ケリー選手は「アウェーではあったが大きい声援の中でプレーするのは好きだし、その中で自分たちのファンを見るのも好き」と気負いはなかった様子で、「(明日は)勝つ」と力強く話した。
伊藤選手は「やっていることは間違っていない。結果につながっていないがチーム自体は良くなっている。これを継続して、個々の強みを出して臨機応変にやればもっと良くなる」と手応えをうかがわせ、明日に向け「今日みたいな展開に持っていき、あと一歩、自分たちがリードして勝ちたい」と意気込んだ。
両チームは明日4日も同所で戦う。