国学院大学(渋谷区東1)で10月17日、月見行事「観月祭」のリハーサルが公開された。
平安時代に貴族が行っていた「観月祭」。同大では伝統文化の継承を目的に2010年に学生の企画で始まり、今年で9回目を迎える。昨年は学生や地域住民ら約1000人が観覧したという。今年は天皇即位30年や各地で起こった災害からの復興を祈念する。
参加するのは学内の公募で集まった学生70人。舞や楽器の演奏だけでなく、設営なども学生たちが行うという。5月に稽古が始まり、大学内外の雅楽講師の指導の下、夏には合宿をするなど練習を重ねてきた。本番が週末に迫ったこの日は、通し稽古として練習場内に7×7メートルの舞台を作り本番に近いリハーサルを行った。舞を踊る学生は本番と同じ衣装で、白衣白袴(はくいはっこ)姿で参加した。
3年連続参加となる文学部史学科3年の黒須悠(しづか)さんは初めて舞人として舞台を清める「振鉾(えんぶ)」を担当。「後世に残るものなので焦らずに舞いたい」と話す。併せて楽人(楽器を演奏する人)の統括も担っていることから「納得のいく舞台をつくれれば」とも。
神道文化学部神道文化学科2年の宮川周子(ちかこ)さんは昨年楽人(がくじん)として参加したが、「先輩の舞うら姿に魅了され」舞人に挑戦。4人で舞うことから「息を合わせること」を意識しているという。「舞人だけでなく、支えてくれている人たちの助けがあってできている。細部まで見ていただければ、趣ある観月祭を体感していただける」と来場を呼び掛ける。
当日は祭壇に秋の作物を供える「献供(けんく)」の後、三管と三鼓を演奏する「管絃(かんげん)」を披露。その後、5つの演目を奉納する。
観月祭の本番は10月20日16時~18時。観覧無料。