円谷プロダクション(渋谷区南平台町)が10月15日、ウルトラマンシリーズ作品の魅力を若者などに伝えることを目的にした新プロジェクト「ULTRAMAN ARCHIVES(ウルトラマンアーカイブス)」を発足した。
昨年8月、ウォルト・ディズニー・ジャパンでエグゼクティブ・プロデューサーなどを歴任した塚越隆行さんを社長に迎えた同社。塚越さんは、新たな会社の方向性として「ウルトラマンをもっと好きになってもらう」「ウルトラマンの魅力をより多くの人に伝える」「ウルトラマンを日本発世界規模のブランドに育てる」ことを掲げている。
その具体的な取り組みの一つとなる「ウルトラマン アーカイブス」。ウルトラマンシリーズの歴代作品にスポットを当て、映像・出版・商品化・音楽など多面的なの切り口で提案することで、これまで作品に触れてこなかった世代に「見てもらえるチャンス」の創出を図る。
第1弾として、1966(昭和41)年に放送されたウルトラマンシリーズの「原点」となる「ウルトラQ」をフィーチャーする。皮切りのイベントとして、11月に同作の中から「2020年の挑戦」トーク&上映会を行う。当日は初期ウルトラマンシリーズを多く手掛けた飯島敏宏監督と、漫画家・浦沢直樹さんをゲストに招く。今後、「ガラモンの逆襲」「カネゴンの繭」「東京氷河期」を2019年秋までに順次上映。シリーズ全体だけでなく、作品(エピソード)「一つ一つもしっかりを伝えていく」という。
併せて、「2020年の挑戦」のBlu-ray・DVD、ビジュアルブックの販売に加え、同エピソードに登場する「ケムール人」など、画家・高山良策が制作した原型を元に海洋堂が製作を手掛ける怪獣人形(7種)、現存する写真を元にスーツアクター古谷敏さんのサインを入れる「ケムール人」のフレームアートの完全受注生産も予定する。
2019年末からはウルトラマン、2021年にはウルトラセブン、2020年には帰ってきたウルトラマンに焦点を当てる予定で、今後もほかのシリーズを継続的に取り上げていくという。
塚越さんは「キャラクターだけでなく、ブランドを意識した展開を考えていきたい。商品やサービス・イベントなど客との接点を大事にし、創業者・円谷英二のビジョンを伝えることで『ブランド』が生まれてくる」と説明。「若者など作品に触れてこなかった世代に、私たちの作品群がどう受け取られるかは分からないが、『こういう作品があった』という提案をすること、そういう機会をつくることは、作品を次代に残していくという意味ではすごく大事な活動になる」と意欲を見せる。