サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が10月13日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)でBリーグ2018-19シーズンのホーム開幕戦を迎えた。観客数は2749人。
今月6日、アルバルク東京とのダービー戦で今季を迎えたSR渋谷。2日ともに接戦を繰り広げるも連敗。今季3試合目でのホーム開幕戦には同じ東地区のレバンガ北海道(以下、北海道)を迎えた。両チームの選手たちは試合前、先月発生した北海道胆振東部地震復興支援に向けた募金活動を行った。
多くのSR渋谷ファンの声援を受けたSR渋谷は、得点源であるライアン・ケリー選手、ベンドラメ礼生選手、ロバート・サクレ選手が連続で得点を挙げ好調な滑り出しを見せ、第1クオーター(Q)から10点差をつけることに成功。北海道がゾーンディフェンス(DF)を敷いた第2Q、オフェンス(OF)のリズムが崩れるも、清水太志郎選手や山内盛久選手の3ポイント(P)シュートなど外角を中心にオープンショットを決めリードを保ったまま前半を終えた。
第3Qで6点差に詰められたSR渋谷。最終Q再び北海道のゾーンDFに苦しめられ得点が止まると、残り6分38秒で同点に追いつかれた。シーソーゲームとなり、勝敗の行方は終盤までもつれ込む。同点で迎えた残り6秒、フリーでボールを受けたファイ・サンバ選手がダンクを決めると、ファンもベンチのメンバーも立ち上がって喜びを爆発させた。サンバ選手は「本当はコーナーに残るはずだったが、相手のDFが上がりスペースが空いたので勝手に体が動いた。礼生がボールを出してくれてありがたかった」と振り返る。
しかし試合はまだ終わらなかった。残り4秒、北海道のマーク・トラソリーニ選手の3Pが決まり1点のリードを許したSR渋谷。コートエンドからのラストプレーでボールを託されたのは「キャッチしてシュートを打とうということだけを考えていた」というケリー選手。「北海道の選手がアグレッシブに向かってくるのが見え、アドバンテージある」と、残り0.5秒でシュートを選択しファウルをもらうことに成功。ファンらが固唾(かたず)を飲んで見守る中、ケリー選手は2本のフリースローを決めSR渋谷に勝利をもたらせた。最終スコアは67対66。この日12本中10本のフリースローを決めたケリー選手。「すでに2本外していたから、もう外すことは無いだろうと、緊張はしなかった」と冷静に振り返った。
ホーム開幕戦を「大事な試合」と話していたSR渋谷の勝久ジェフリーヘッドコーチは「昨シーズンなかなかホームで勝ち星を上げることができなかったので、ファンの皆さんと一緒に勝利を分かち合いたいという気持ちで臨んだ」と言い、選手たちには「エネルギッシュに一体感持って戦うように伝えた」という。「ベンチからも常に声が出ていたし、ルーズボールに飛び込む姿も見られた」と振り返りつつ、ゾーンディフェンスに対するオフェンスを課題に挙げた。
試合後「勝ったのにちょっと負けたような気分でいる」と複雑な心境を吐露した山内選手。 「ホーム開幕戦で勝てたことはほっとしているが、3Q途中までの試合運びで行くともっと楽に戦えた試合だった。個人としてもチームとしても、どこか緩んでいたような感じがあり、それが少しずつ詰められた原因」と振り返り、「出だしは良かったが、40分通してそれができたわけではない。明日もDFから足を動かす自分たちらしいバスケをして、 ホームの皆さんに1つでも多くの勝利を見せたい」と意気込んだ。
両チームは14日も同所で戦う。