東京メトロ銀座線渋谷駅で工事が進む新ホームの頭上に「屋根」が出現し始めた。
渋谷駅の大規模な基盤整備に伴い、1938(昭和13)年の開業以来初の改修工事を進められている銀座線渋谷駅。改修では、ホームの移設を軸に通路や改札などを再整備。現在の相対式から1面2線の島式に変更するホームは表参道駅方向に約130メートル移動し、明治通りの上に新設する。
改良工事が進む中、新ホームの頭上に整備される「M型屋根」の一部が姿を現した。東京メトロによると、現在は屋根の骨組みを組み立てている最中で、建築家・内藤廣さんが駅舎と合わせてデザインを監修。再開発で一新される駅周辺の新たなイメージに溶け込むデザインを採用した。来年11月の完成を予定する。
屋根の上部には自由通路「スカイデッキ」も整備。渋谷ヒカリエから線路頭上にできる空中デッキを通り、駅街区(渋谷スクランブルスクエア)、渋谷マークシティまでつながる動線が確保され、駅の東西を歩いて移動できるようになる。
1日の平均乗降客数が約21万人を数え、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けさらなる利用者増加を見込む同駅。改良工事では総工事費約290億円(東京メトロ負担分は約100億円)を掛け、これまで上下移動もあり複雑化していた通路を再整備。ホーム幅を従来の約1.7倍に拡幅し混雑緩和を図るほか、トイレやホームドアも新設し大幅な利便性向上を見込む。
ホームは、2019年度下期に渋谷方面行きの線路を南側に移設し供用を開始、その後浅草方面行きの線路を北側に移設すると同時にホームの幅員を拡幅。2022年に新駅完成を予定する。スカイデッキの供用開始はオリンピック後になる見通し。