渋谷駅大規模再開発に合わせて架け替え工事が進められている渋谷駅東口歩道橋で、「最後の橋桁」の取り付け工事が9月24日未明から早朝にかけて行われる。
これまで国道246号(以下、246)などの幹線道路で駅周辺のにぎわいから分断されてきた渋谷3丁目エリアへの主要な動線にもなる渋谷駅東口歩道橋。国土交通省東京事務所によると、旧歩道橋は約50年前に架設。旧歩道橋は、246、明治通りにまたがり「ロ」の字の橋と、渋谷警察署方面とJR渋谷駅方面を対角線に結ぶ橋から成り、通勤や通学経路としても利用されてきた。
架け替えは、2013年3月の東急東横線-副都心線相互直通運転開始に伴い始まった渋谷駅街区(渋谷スクランブルスクエア東棟)と南街区(渋谷ストリーム)の再開発事業と並行し進められてきた。新しい歩道橋は緩やかなカーブを伴う「ロ」の字形で計画し、幅員を2.5メートルから6メートルまで広げるなどしてデッキを再整備。9月13日に開業した複合施設「渋谷ストリーム」の2階部分とも直結し、旧東横線渋谷駅跡に来年度中に開業する「渋谷スクランブルスクエア東棟」ともデッキ部分でつながる。
再整備に向けた架け替え工事は、246や明治通りを深夜から早朝にかけて車両通行止めにし、段階的に新しい橋を架設。対角線部分など旧橋の閉鎖・撤去も同時進行しながら順次進めてきた。今回が大規模な通行止めを伴う最後の取り付け工事となる。
「最後の」橋桁が取り付けられるのは、明治通りをまたぎ渋谷ヒカリエなどがある渋谷2丁目方面とJR渋谷駅方面を結ぶ部分。24日0時~5時に、東口交差点~宮益坂下交差点間を通行止めにし、新しい橋桁を多軸式移動台車で取り付け場所まで移動。橋桁にワイヤを取り付けオールテレーンクレーンで持ち上げ、既設の橋桁間にはめ込む。
10月15日0時~5時にも、並木橋交差点から東口交差点間を通行止めにし、明治通りに架かる旧橋を撤去する予定。今後舗装や照明などの整備を進め、完成を目指す。周辺整備の進捗(しんちょく)に伴い、東口地下通路や出入り口、エレベーターなども順次開通する。
同事務所の梶原ちえみ工務第一課長は「大規模な通行止めを伴う架設は今回が最後となり、これにより『ロの字』型の歩道橋のほぼ全容が現れる。今後も階段や橋面仕上げなどの工事が続くが、安全に留意しながら工事を進めたい」と話す。
同省では現在、桜丘口地区と道玄坂一丁目駅前地区(東急プラザ渋谷跡)を結ぶ西口デッキも西口地下歩道と併せて整備を進め、アクセス・利便性の向上やバリアフリー化などを目指す。駅周辺で渋滞が慢性化している246は、JR線改良後に高架下の道路幅を現状の38メートルから50メートルに拡幅する計画で、十分な車線幅を確保し渋滞緩和も狙う。