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米音楽プロデューサーのフライング・ロータスさん、渋谷で監督作「KUSO」語る

監督作「KUSO」につて話すフライング・ロータスさん

監督作「KUSO」につて話すフライング・ロータスさん

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 米音楽プロデューサーのフライング・ロータスさんが8月16日、渋谷の映画館「シネクイント」(渋谷区宇田川町)で行われた監督作「KUSO」のジャパンプレミアに登場した。

スティーヴ名義で監督した「KUSO」より

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 LA生まれのロータスさんは音楽プロデューサーのほか、DJやラッパーとしても活動。2008年以来8回目の来日となり、今月17日には「ソニックマニア」への出演も控えている。

 上映後に登場したロータスさん。「どうだった?」との問いに観客から拍手が送られると、「みんなのために作ったんだよ、まじで」と笑顔を浮かべた。映画監督の三池崇史さんや塚本晋也さん、北野武さんらを「ヒーロー」と言い、「日本の映画からもらったインスピレーションへの恩返しができてうれしい」と喜びを表現した。

 高校卒業後、「自分で映画を作りたい」と大学で映画製作を学んでいたロータスさんが「スティーヴ」の名前で監督した初の長編作品が「KUSO」。タイトルは「笑えるし、アメリカなら意味が分からないから問題ないだろう」(ロータスさん)と日本語から名付けたという。続けて「自分にとってはいろいろな意味合いを表現する言葉。映画もそういうもので、見る人によっていろいろな見方があっていい」と見解を示した。

 同作は、LAでの大地震後、首に喋(しゃべ)る「こぶ」ができた女、「とんでもない虫」で人を治療する医者、常におなかを下している男の子、コンクリートを食べる女など、奇病に冒された人たちのそれぞれの「狂気のストーリー」を描いている。ロータスさん自身が「おかしいと思うこと」「見たら驚くもの」「怖いと思うもの」を、ユーモアを交えて表現した「ダークジョーク」と話しつつ、「四六時中こんなことを考えているわけじゃないよ」と笑いを誘った。

 作品にはミュージシャンのジョージ・クリントンさんも出演している。撮影初日、「台本は読んだけどセリフは覚えていない」「役者の経験が無いの、分かってるよね」と言われたというが、「始まってみると期待以上の演技をしてくれた」というエピソードも。「何が求められているのか、実はジョージはちゃんと分かっていた。役者としての能力は疑いの余地はない」とたたえた。

 日本は「第二の故郷のような国」というロータスさんは、過去にはステージで「ドラゴンボール」の道着を着てパフォーマンスをしたこともある。好きなアニメとして「僕のヒーローアカデミア」などのタイトルを挙げると場内からは笑いが起こった。「AKIRA」「エヴァンゲリオン」などを例に「発想が素晴らしい」と話し、「アメリカにも美しい作品はあるが、やっぱり違う。作ろうと思っても無理」と日本文化への思いを話した。

 同作は今月18日~24日、同館でレイトショー上映する。18歳未満の入場・鑑賞禁止。

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