渋谷区とコカ・コーラ ボトラーズジャパン(港区)が8月10日、「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定(通称S-SAP、エス・サップ)」を締結した。
区が2016年4月から推進している同協定は、民間企業や大学などの持つ技術やノウハウを活用しながら、協働で地域社会の課題解決を図る包括連携協定で、これまでにキユーピーやボッシュなど区内の企業を中心に17社、青山学院大学や国学院大学など7校と同協定を結んでいる。
連携するのは、区内に競技会場があることから、機運醸成など2020年の東京五輪・パラリンピックを活用した国際化に向けた取り組みや、商工観光や文化振興、スポーツ・健康増進、環境保全など8項目。
商工観光に当たる取り組みとして、今月13日には、待ち合わせの名所として知られる忠犬ハチ公像や、ファサード正面の円柱のシリンダーが特徴的なSHIBUYA109など渋谷の街並みをデザインしたデザインの「コカ・コーラ」スリムボトルを、渋谷区内を中心に販売する。区内の自販機で販売を始め、商業施設や土産店などに展開していきたい考え。
渋谷デザインボトルの販売開始に伴い、同社は一般財団法人渋谷区観光協会と観光支援協定も結んだ。渋谷デザインボトルの売り上げの一部を観光協会に寄付し、渋谷区の観光情報発信やハチ公像の維持保存や周辺美化のために役立てられる。
「地域密着」「顧客起点」を掲げている同社は、2020年の東京五輪・パラリンピックに向け観光客が増えている渋谷を「最も重要エリアの一つ」と位置付け、電車やタクシーで回る「都心型の営業」を実行するモデル支店のオフィスを区内に構えている。東京営業本部長の佐藤一仁さんは「ボトルを中心に、渋谷に来る方たちに合う楽しくなる仕組みを作れたら」と意欲を見せた。
長谷部健渋谷区長は「コカ・コーラは世界に通じるブランドで、老若男女問わず親しまれている。一緒に課題解決に取り組んでいただけることを心強く感じている」と話し、「渋谷はこれぞという土産が無いので、今後作っていけたら」と期待を寄せる。
締結期間は2021年3月31日まで。