渋谷・松濤に7月1日、セレクトショップ「Sister(シスター)」(渋谷区松濤2、TEL 03-6407-1285)が移転オープンした。
2008年、原宿にオープンした「シスター」は、2010年に系列店「CANDY(キャンディ)」などと共に複合ビル「FAKE(フェイク)TOKYO」の一店舗として渋谷・宇田川町へ移転。その後、渋谷~原宿間の明治通り裏手に拠点を移し、この春、店を取り仕切ってきた長尾悠美さんが独立した。
新天地に選んだのは、周辺に美術館や公園があり渋谷エリアの中でも落ち着いた雰囲気のある松濤エリア。「オープン以来、渋谷エリアで営業を続けてきた縁もあり、大好きな渋谷で物件を探した」と長尾さん。移転・リニューアルに当たり、イギリスの若手ブランド「Richard Quinn(リチャード・クイン)」など勢いのある気鋭デザイナーの商品も新たに取り扱いを始めた。
グレーの壁面を基調にした店舗は、売り場面積約20平方メートル。長尾さんの友人が赤い背景にライブペイントで花を描いたという絵は、移転前の店でも飾っていたもので、「すごく気に入っていたので絶対飾りたかった」と、新店舗でも店のアクセントになっている。売り場と試着スペースを仕切るオリエンタルな柄のカーテンも、こだわって素材や柄を選んだ。
買い付けるのは、オープン当初から取り扱っているビンテージ商品に加え、現在は全商品の約6割を占めるという国内外のデザイナーズブランドのセレクト品。いずれもレディスがメインで、写真集やアート作品集などの書籍も扱う。
海外ブランドは、前衛的なデザインで知られるベルリン発「BLESS(ブレス)」や、遊び心のあるデザインが人気の「ASHLEY WILLIAMS(アシュリー・ウィリアムズ)」、次世代の若手として注目を集める「MARTA JAKUBOWSKI(マルタ ジャクボウスキー)」など、これまでも取り扱ってきたブランドをはじめ、新たに買い付けるリチャード・クインはブランドの世界観を象徴するフラワープリントのドレスやオールインワン、コート、パンツなど幅広いアイテムをそろえた。
「2018年秋冬のロンドンコレクションで華々しくデビューを飾ったリチャード・クインは、会場にエリザベス女王も会場に足を運び一躍話題となったブランド。花柄などの鮮やかなプリントをあしらうアイテムは、ベルト使いやマスクといったスタイリングで見せているのも特徴」といい、店内でもひときわ目を引く。コレクションピースのボディースーツは28万円(税別)。
国内ブランドは、「TOGA(トーガ)」や「TARO HORIUCHI(タロウ ホリウチ)」、レザージャケットなどで知られる「blackmeans(ブラックミーンズ)」など。毎年発表しているという吉田カバンとのコラボ商品は「完売することも多い」という。オリジナルTシャツも毎年企画・発売する。セレクト品の中心価格帯は3万円~5万円。
欧米から仕入れるビンテージは、総レースのブラウスやクラシカルなワンピース、スタンドカラーにリメークしたTシャツなど、オープン当初からエッジの効いた女性らしい商品を一貫して買い付けている。中心価格帯は6,000円~1万5,000円。
「オープン当時からのマニフェスト『女性本来の意志を持ったスタイル』をさらに追求し、より良く生きる女性を応援したい」と、今後もファッションを通して洗練された女性像を打ち出していくという長尾さん。「移転したことで、周辺に住む地域の方も寄ってくださるようになった」と変化も感じている。
営業時間は12時~20時。