東急電鉄などが7月13日、沿線の駅券売機で銀行預金の引き出しができるキャッシュアウト・サービスの開発を発表した。
スマホに表示されたQRコードを券売機の読み取り機にかざすイメージ
2015年に始まった「社内起業家育成制度」の第3弾案件。スマートフォンアプリで事前に引き出し金額を申請し、表示されたQRコードを券売機の読み取り機にかざすことで提携銀行の預金を引き出すことができるサービスで、日本初の取り組みとなる。ICカードの普及により利用率が下がった券売機を活用することで駅の利便性向上を見込む。
キャッシュレス化の動きが加速する中、同サービスのプロジェクトリーダーである八巻善行さんは「いざという時に現金がないと困ることがある。そうしたときに駅に行けば手軽に現金が下ろせるという安心感をお客さまに与えたい」とし、駅という生活動線上でのサービス提供に価値を見いだす。
開発は、GMOペイメントゲートウェイ(以下GMO-PG)、横浜銀行、ゆうちょ銀行と共に行う。GMO-PGと横浜銀行が2016年に共同開発した、銀行口座とスマートフォンが連動した決済サービス「銀行Pay」の基盤システムを活用。横浜銀行のスマートフォン決済サービス「はまPay」、来年2月にゆうちょ銀行がサービスを開始するスマートフォンアプリ「ゆうちょPay」で利用できるようになる。
年内に沿線の一部券売機で実証実験を行い、来春沿線各駅(世田谷線、こどもの国線を除く)でサービスの提供を目指す。キャッシュアウト・サービスの利用時間や利用限度額は検証結果を踏まえて決める予定。引き出し時の手数料などもこれからの検討となるが、コンビニATMと比べて「割高感がないように」設定する見込み。
東急線沿線各駅では2015年、QRコード読み取り機能が付いた券売機の導入を始め、現在317台を導入。現在QRコード機能は、駅での購入時間の短縮のため、事前にネット予約した定期券をスマートフォンなどからスムーズに購入できるサービスとして活用されている。今後も券売機を活用した新たなサービスの検討を進めるという。