アルバルク東京の田中大貴選手らが「FIBAバスケットボールワールドカップ2019アジア地区 1次予選」最終シリーズ「Window3」の男子日本代表(AKATSUKI FIVE)候補に選出された。6月11日、JBA(日本バスケットボール協会)が発表した。
FIBA(国際バスケットボール連盟)に加盟する213の国・地域から、32チームが出場する「FIBAワールドカップ2019」に向けたアジア地区の予選。1次予選には16チームが参加し、日本はチャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、フィリピンと同じグループBに属している。2次予選進出には上位3位以内に入る必要があり、プロリーグ「Bリーグ」シーズン中の昨年11月と今年2月に行われた4戦で日本は全敗。残り2試合となり「崖っぷち」の状態を迎えている。
Bリーグ2017-18シーズンを制したアルバルク東京から選出されたのは、レギュラーシーズンベスト5にも選ばれた田中大貴選手、新人賞を獲得した馬場雄大選手、身長2メートルを超す大型選手で日本代表としても経験豊富な竹内譲次選手の3人。サンロッカーズ渋谷からはベンドラメ礼生選手が選出されている。このほか、日本国籍を取得したニック・ファジーカス選手(川崎ブレイブサンダース)、米大学の強豪として知られるゴンザガ大学に所属する八村塁選手が初招集された。
5月末にBリーグ2017-18シーズンが終わり、6月上旬から合宿を行っているという代表チーム。竹内選手は「祝勝会やあいさつ回りなどオフコートの仕事があり、1週間くらいバスケットをできなかった。オンコートに戻って来て、こっちの方が合っているなと感じている」と言い、「いかに危機感を持ってやれるかが大事。合宿もいい緊張感をもってやれている」と手応えをうかがわせる。これまで代表ではインサイドの要として活躍してきたが、ファジーカス選手や八村選手の加入でポジション争いがし烈になる。「すごい戦力だし、いい刺激をもらっているが、二番手・三番手でいいという気持ちは絶対に持ってはいけないと思っているので、まずは一アスリートとして勝負したい。練習でいいところを出し合い、競い合ってチーム力を上げたい」と闘志を燃やし、「今週の韓国戦で良いバスケをしてWindow3につなげたい」と意気込んだ。
田中選手はBリーグ2017-18シーズンのチャンピオンシップ準決勝で左太ももの肉離れを起こした。「このけがが難しい状況で、まだ練習に参加しきれない。シーズンが終わっていい流れで(代表に)入りたいと思っていたので、正直、自分自身の中で焦りはある」と心境を吐露するも、「どれだけいい状態にもっていくかしかないので、やれることをやるしかない」と前を向く。
残り2戦に向け「ピック&ロール(P&R、スクリーンを使ったオフェンスの一種)がカギを握る」とポイントを挙げ、「自分たちの武器でもあるし、より高めていくことが代表チームのオフェンス(OF)では必要なのでは」と話す。アルバルク東京ではこのP&Rを1シーズンかけて取り組んできたことから、「P&Rを使っていかにOFの起点となれるか。自分がクリエートして、いい判断をすることが自分の役割だと思っているので、その部分で貢献できたら」と意気込む。ファジーカス選手と八村選手の加入により「(OFの)オプションが増えるのは、自分たちペリメータ陣としえはやりがいがあり、楽しみな部分」とも。
フリオ・ラマスヘッドコーチは候補選手の選出理由について、「日本の中でベストな選手たち。身長のサイズアップも考え、フィジカル面でも評価している選手ばかり」と説明。「2次ラウンドに進出できる可能性は十分にあると思っている。この選手たちの努力と成長を見て、その期待が膨らんでいる」と話す。
JBA三屋(みつや)裕子会長は「ほしいのはただ一つ、結果」と言い切り、Bリーグもシーズンが終わっていることなどから「残り2戦は言い訳ができない。覚悟とプライドを持って戦ってくれると思う」と期待を込めた。
日本代表は今月15日と17日に韓国代表との国際強化試合を行う。今月28日の最終メンバー12人を正式発表後、Window3となる今月29日のオーストラリア代表戦、7月2日のチャイニーズ・タイペイ代表戦に挑む。