渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)内の劇場「東急シアターオーブ」で今夏上演するミュージカル「オペラ座の怪人~ケン・ヒル版~」の製作発表が6月11日、行われた。主演する英俳優で歌手のジョン・オーウェン=ジョーンズさん、応援サポーターの別所哲也さん、遼河はるひさんが出席した。
「オペラ座の怪人」は、映画化もされた作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーさんが楽曲を手掛けた作品が知られるが、ケン・ヒル版は、1976年に演出家ケン・ヒル脚本・作詞の下、ガストン・ルルーの同名小説を初めてミュージカル化したバージョン。日本では1992年~2013年に5回来日公演を行い、延べ25万人以上を動員しているという。
ケン・ヒル版の特徴は「ルルーの原作に忠実であること」と、楽曲だという。披露されるナンバーは、シャルル・フランソワ・グノー作曲「ファウスト」(呪われよ)より=「呪われよ、この世の喜びを追求したかどで」、ジョルジュ・ビゼー作曲「真珠採り」(耳に残るは君の歌声)より=「高い高いところから」、ジュゼッペ・ヴェルディ作曲「海賊」(私の頭から暗い考えを)より=「陽の光が輝く場所に」、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲「ドン・ジョヴァンニ」より=「彼は友なしでは去らない」など。
5年ぶり6度目の来日公演となる今回、ファントムを演じるジョーンズさんは1971年生まれ。1998年26歳の時に「レ・ミゼラブル」ウエストエンド公演で主人公ジャン・バルジャンを最年少で演じた。ウエストエンドでは「オペラ座の怪人」のファントム役をこれまでに約2000公演演じている。これまでソロコンサートなどで来日経験はあるが、来日ミュージカルで主演するのは初めてとなる。
ジョーンズさんは、ファントム役を「ミュージカルを目指す者にとってアイコン的な役。演じられるのは光栄」と表現し、「人間を愛する部分と憎む部分の2面性があり、演じていて興味深い。人間味にあふれたところを演じるのは難しいが楽しい」と話す。これまでファントムを多く演じてきたが「まっさらな気持ちで作品に臨んでいきたい。新たなアプローチができれば」と意欲を見せ、「ケン・ヒル版の『オペラ座の怪人』が一番素晴らしい経験になることを約束する」と来場を呼び掛ける。
ジョーンズさんは、渋谷で体験したいこととして「マリオカート(=公道カート)。本作がユニークな体験であるように、世界中で日本でしかできない体験だと思う」と挙げる。渋谷区観光協会の名誉理事長でもある別所さんは「渋谷駅前のスクランブル交差点の真ん中で歌ってほしいという希望は胸に持ちつつ、ナイトタイムの渋谷の良さもあるので居酒屋など日本の文化にも触れてほしい」と提案すると、「(別所さんが)飲みにつれて行ってくれるのを楽しみにしている」と返し笑いを誘った。
上演期間は8月29日~9月9日(全16公演)。上演時間は2時間30分予定(途中休憩20分含む)。鑑賞料は、S席=1万1,800円、A席=8,800円、B席=6,800円。英語上演、日本語字幕あり、生演奏。