東京都写真美術館ホール(恵比寿ガーデンプレイス内)で5月20日、「村田朋泰特集―夢の記憶装置」が始まった。
映像作家・村田朋泰さんの作品を特集上映する同企画。村田さんは1974(昭和49)年東京生まれ。2002年に東京芸術大学修士課程美術研究科デザイン専攻伝達造形修了後、コマ撮りアニメーション制作会社TMC(荒川区)を設立した。アナログにこだわりパペットを少しずつ動かし撮影する「パペットアニメ」と呼ばれる手法で、「不在」「喪失」「記憶」「死生観」を題材にセリフの無い作品を多く手掛けている。
上映作品は、初期の「睡蓮(すいれん)の人」(2002年)やバンドMr.Children(ミスチル)の楽曲「HERO」のミュージックビデオに使われた「白の路(みち)」(2003年)、実在した理容店に着想を得た作品で一家に起こる不思議な出来事を描いた「家族デッキ」(2007年~)、NHK・Eテレ「プチプチ・アニメ」で放送中の「森のレシオ」(2012年)、劇場版アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(あの花)」の主題歌でバンドGalileo Galileiの「サークルゲーム」のMVに使われた「木ノ花ノ咲クヤ森」(2015年)などで、2プログラムに分けて上映する。
今回は、「生と死にまつわる記憶の旅」シリーズの新作で「記憶」「祈り」をテーマにした「松が枝を結び」(2017年)を劇場初公開する。同作は、2011年の東日本大震災を機に製作を始めた作品で、「死後の幸福を祈る」という意味の言葉「冥福を祈る」を基に脚本を書き始めたという。
今月23日(16時50分の回終了後)には、村田さんと「この世界の片隅に」などを手掛けているアニメーション監督片渕須直(すなお)さんのトークショーを予定する。
鑑賞料は、Aプログラム=一般1,500円ほか、Bプログラム=1,000円。今月27日まで。