渋谷区は5月17日、広島県が立ち上げたAI(人口知能)・IoT(モノのインターネット)実証プラットフォーム事業「ひろしまサンドボックス」に協力することを発表した。
「イノベーション立県」を目指し、新たな産業・基幹産業の育成・発展に取り組んでいる同県。その新たな事業となる「ひろしまサンドボックス」は、県内外の人材を呼び込むことを目的にあらゆる実証実験ができる場を構築し、産業や地域課題に取り組む新しいソリューションを生み出す共創エコシステムを築くことを目指す。
県外からも人材を呼び込むため、同県は「ITやベンチャー企業が集積している」渋谷区と連携。区は4月に設立した産官学民連携の新しい組織「渋谷未来デザイン(FDS)」(渋谷区神宮前6)の新たな事業として、渋谷のスタートアップ企業やクリエーターらの参加を促す。
長谷部健渋谷区長は「このような事業を通して共に成長できることが真の地方創生なのでは。FDSにとっても地方とつながることで発展の可能性がある」と期待を込める。「海外の都市ともこのような取り組みはできると思う。事例をどんどんどん作っていきたい」とも。
湯崎英彦広島県知事は、渋谷区と連携することの意味として「(渋谷の)エネルギーを共有し、熱量を上げていく」ことと、「人材の還流」を挙げる。「日本の中の課題と言われるものはそろっている。一緒に解決策を考えていくことは、日本全体に応用できるものになるのでは」とも。
同事業は今年度から3年の計画を立てており、最大10億円規模の投資を行う。同県は6月に第1次公募(7月採択)、9月に2次公募(10月採択)し、第3四半期には実証実験を始める。3年で10ほどのプロジェクトの実証実験を採択する予定。