アルバルク東京(以下、A東京)が5月12日、アリーナ立川立飛(立川市)で「チャンピオンシップ(CS)」初戦を迎えた。
レギュラーシーズン60試合を勝ち上がった8チームが出場し、2戦先勝のトーナメント戦でシーズン王者を決めるCS。東地区2位で駒を進めたA東京の初戦の相手は、西地区2位の京都ハンナリーズ(以下、京都)。初日となったこの日の観客数は1629人。
試合開始直後は、田中大貴選手のレイアップや菊地祥平選手の3ポイント(P)シュートなどで13対5とリードし、京都にタイムアウトを取らせたA東京。しかし、中盤以降は京都・岡田優介選手に3本の3Pを許すなど「シューターを勢いに乗せてしまい」(A東京ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ)、19対28とビハインドを負った。拮抗(きっこう)した展開が続いた第2クオーター(Q)は、ディフェンス(DF)リバウンドからの速攻でカーク選手がダンクを決めたり、菊地選手のスチール(攻撃中の相手からボールを奪うプレー)から田中選手がレイアップを決めたりと、終盤にDF力を見せたが点差を詰められず34対45で前半を折り返す。
第3Qは、「オン・ザ・コート(出場できる外国籍選手)1の時間帯に同点まで持っていきたかった。そのために前半よりもギアを上げなくてはいけないと思っていた」という田中選手が、開始直後に3Pやドライブ(ドリブルでリングに迫るプレー)を決めるなど得点を重ねチームに勢いを与えた。パヴィチェヴィッチHCが「DFから主導権を取れた」と振り返るよう同Qは京都を9点に抑え、59対54と逆転に成功。最終Qには、ザック・バランスキー選手が3Pを含む5得点を挙げたほか、アシストやスチールも見せ躍動したほか、京都のミスからの速攻やリバウンドからの得点、田中選手のブロックショット(シュートブロック)などDFから流れをつくり82対75で勝利した。
第1Q、岡田選手とマッチアップしていた田中選手は、「シューターに付くのはあまり得意ではなく、間合いを空けてしまって決められたのがそのまま前半のビハインドにつながった」と反省点を挙げつつ、「みんながよく我慢して立て直せた」と振り返った。ハーフタイムにパヴィチェヴィッチHCが「シュートが入らないのはしょうがない。DFをしっかり頑張らないとと話した」と言い、「本当にその通りだった。DFから走りこういう結果につながったと思う」と勝因を挙げた。「負けるのと勝つのではプレッシャーが全然違う」と先勝を喜んだ。
「自分としては平常心でやったつもりだが、重い展開となってしまった」と振り返った竹内譲次選手。この日は両チーム最多となる10本のリバウンドを取った。「ボールがうまく回り相手のDFのズレを作れて、相手がボックスアウトできない状況を作れた。チームとして良いオフェンスを遂行した結果いい状況が生まれた」と振り返る。先勝はしたが「リラックスが逆に首を絞めてしまうこともある。明日もDFから入っていきたい」と気を引き締める。
両チームは13日も同所で戦う。