サンロッカーズ渋谷のチアリーダー(チア)「サンロッカーガールズ」の元メンバー本田景子さんが、米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)「Jacksonville Jaguars(ジャクソンビル・ジャガーズ)」のチア「ジャクソンビル・ロアー」に合格した。
1982(昭和57)年神奈川県横浜市生まれの本田さん。4歳から10年間バレエを習い、高校生の時にテレビで見たNFLのチアリーダー、青山学院大学(渋谷区渋谷4)の文化祭で見たチアリーダーのパフォーマンスに「心を奪われ」、チアリーダーを目指すようになったという。
大学卒業後一般企業で働きながら、2007年に「富士通チアリーダー部」へ入団しチアリーダーとしての活動をはじめ、Jリーグ「川崎フロンターレ」の応援やアメリカンフットボールワールドカップでのチアリーディングなどを経験。2010年にNFL「サンフランシスコ49ers」のチア「ゴールドラッシュ」のオーディションを受け、セミファイナルに進出。その後、bjリーグ「東京アパッチ」「横浜ビー・コルセアーズ」のチアを務め、2013年度のNBL時代から昨年度のBリーグ初年度までサンロッカーガールズとして活動していた。2017年度には日本代表「AKATSUKI FIVE」の公式チアも務めた。
本田さんは長年、平日は終業後に練習を行い、週末には試合という生活を繰り返し、頸椎(けいつい)や腰椎のヘルニア、「ぎっくり首」などに見舞われながらもケアをしてチアを続けてきた。bjリーグ、NBL、Bリーグをそれぞれ経験し、「やり切った」とサンロッカーガールズを引退したが、日本代表のチアも務め、「積み重ねてきたものが形になった」と笑顔を見せる。自身のキャリアを考える中で、「初めてNFLのチアを見た時の気持ちが忘れられなかった」ことから、会社を辞めNFLに挑戦したという。
4月中旬に行われたオーディションでは、足を高く蹴り上げる「キック」、前後に足を開脚する「スプリット」、ターン、ダンスなどの審査、インタビューが行われ、約100人の中から選ばれた34人(うちルーキー11人)に食い込んだ。同チームには同じく日本人のチアリーダー小野綾子さんが在籍している。
オーディションでは「表情や自分らしさ、メリハリ」などを意識し、ファイナルで披露したフリーダンスでは、「日本らしい音楽とダンスでアイデンティティーをアピールした」という。ダンス前の自己紹介では「(NFLのチアになることが)長年の夢で、そのために日本で力を培ってきたこと、夢をかなえるために日本から来たことを伝えた」といい、合格できた要因を「このチームで活動したいという気持ちを、言葉とダンスで表現したことが伝わったのでは」と分析する。
本田さんは「純粋にとてもうれしい。夢は見るものではなくかなえるもの。思い・信じて努力し続ければ報われることを、自分の中で証明できて良かった」と喜びを表現し、「全てを吸収する気持ちで臨みたい。日本のチアリーダーにも良い影響を与えられるように、いろいろと発信していきたい」と意気込む。
練習はすでに始まっており、本田さんはビザが取得でき次第渡米し合流する予定。契約期間は来年3月末まで。