サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が5月5日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で大阪エヴェッサ(同、大阪)と戦った。観客数は2365人。
今シーズン最終節1日目となったこの日。伊藤駿(たかし)選手が先制点を挙げるも、なかなか追加点を奪えない重たい入りとなったが、ベンドラメ礼生選手がリングにアタックしファウルをもらったりスチール(攻撃中の相手からボールを奪うプレー)からダブルクラッチを決めたりと躍動。ディフェンス(DF)ではトラップを仕掛けミスを誘発するなど、5分間大阪に得点を許さない好守を見せた。
9点のリードを奪って迎えた第2Qだったが、序盤で連続得点を許し一気に点差を詰められる中、菊池真人選手が「(高さは)上だったが飛べばどうにかなるかな…」と、大坂エグゼビア・ギブソン選手のシュートに体を張って飛んだり3ポイント(P)シュートを決めたりしてチームを鼓舞。前日23歳の誕生日を迎えた阿部諒選手は同Q途中出場するとドライブ(ドリブルでゴール下に切り込むプレー)を積極的に仕掛け、フリースローで得点を挙げる場面も見られた。
一進一退の攻防を見せた後半。SR渋谷は広瀬健太選手やベンドラメ選手、菊地選手スチールから得点を挙げるなど攻守が見られたほか、杉浦佑成選手がドライブや3Pと積極的にシュートを狙っていった。同点で最終Qを迎えるも、互いに一歩も譲らない展開となった。
そして残り24秒で同点となった場面、SR渋谷はタイムアウトを要求し戦術を確認。DFのプレッシャーがかかる中ボールをキープしたベンドラメ選手が動き出したのは残り10秒を切ってから。ピック&ロール(スクリーンを使った攻撃の一種)からサクレ選手にパス。ゴール下のシュートは外れるも、インサイドに飛び込んでいたジョシュ・ハレルソン選手がリバウンドに反応し決勝点を決めた。ハレルソン選手は「自分のところにボールが落ちてきた感じで、それを決めるだけだった。(DFが)3人いる中、ロブ(=サクレ選手)が頑張ってくれたおかげ」と振り返った。
この日は、第1クオーター(Q)から杉浦佑成選手、第2Qから阿部諒選手のルーキー2人を投入したSR渋谷。勝久ジェフリーヘッドコーチは「1日も欠かすことなく朝早くから体育館に来て自主練しているので、出たらハードにプレーしてくれることは分かっていた」と起用理由を話す。
杉浦選手は「練習をやることに意味は無く、結果を残すためにやっている。(今日は)コートで表現できなかった」と悔しさを浮かべつつ、「試合の雰囲気に慣れてきたし、選手の特徴とかもわかってきたので前より自信を持ってやれている」と手応えもうかがわせた。残り0.7秒、大阪がタップシュートを狙い熊谷尚也選手にパスを出した場面、DFに付いていた杉浦選手は「スクリーンを使わせないようにしようと考えていたら、カール(カット)してきたので『ボールが飛んでくる』と思って、はっとなって(飛んだ)」と振り返った。
菊池選手は明日の最終戦に向け「最後ホームで試合ができるので、ファンの皆に笑顔で帰ってもらうためにも勝ちたい」と意気込んだ。
両チームは6日にも同所で戦う。試合後にはSR渋谷のファン感謝祭を予定。