サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が5月2日、墨田区総合体育館でレバンガ北海道(同、北海道)と対戦し88対83で競り勝った。観客数は1878人。
ティップオフ直後から持ち前のアグレッシブさを見せたのは、ベンドラメ礼生選手。ジャンプボールのこぼれ球を取りディフェンス(DF)の隙を突いてリングにアタックしファウルをもらうと、フリースローをきっちり沈め先制。10試合ぶりにスタメン出場した広瀬健太選手も、ターンオーバーから速攻を仕掛けられた場面ではブロックショット(シュートブロック)を決めるなどDFからリズムをつかむと、ドライブ(ドリブルでゴールに迫るプレー)などオフェンス(OF)でも積極性を見せた。6点リードで迎えた第2クオーター(Q)序盤は重い出だしとなるも、山内盛久選手が客席に突っ込みながらインターセプト(パスカット)し、伊藤駿(たかし)選手とベンドラメ選手がルーズボールに飛び込むなどハッスル。一時逆転を許すも同点で前半を折り返した。
第1Qに3ポイント(P)シュートを含む5点を挙げていた満原優樹選手は、「自分が出ているQで突き放したかった」と第3Qでは、ベンドラメ選手とのピック&ロール(スクリーンを使ったオフェンスの一種)で得点を重ねた。同Qでは、スチール(攻撃中の相手からボールを奪うプレー)からの速攻を含む4連続得点など30点の猛攻を見せ、64と57リードを広げることに成功。最終Qは開始2分半弱でファウルが5つたまるトラブルに陥るも、リードを保ちながらゲームを展開。点の取り合いとなった中盤にはバスケットカウント(得点に加えフリースロー)となったロバート・サクレ選手の連続ダンク、ベンドラメ選手の3Pで場内は大きな盛り上がりを見せた。
残り1分を切り3点差の場面。同Q序盤から3Pやドライブなどで6得点を挙げていた山内選手がドライブを仕掛け、ディフェンスを引き付けたところでキックアウト(アウトサイドへのパス)し、オープンショットとなったジョシュ・ハレルソン選手の3Pが勝利を決定づけた。山内選手は「最初は自分でシュートまでいこうと思っていたが、(相手のDFが)2人来ていたので空いていたジョシュにパスした。結果論としてあのシュートが入ったから良かったが、相手もファウルが立て込んでいたので、自分でシュートまでいってファウルをもらった方が良かったのかなとも思う」と振り返った。
チャンピオンシップ(CS)出場を逃した中、「チームの士気が下がっていたので、元気よくハッスルにプレーすることでチームに良い影響をもたらせたらと思い試合に臨んでいる」という山内選手。「まずはお客さんのために。だらしない試合を見せるのはプロとして失格なので、CSという目標は達成できなかったが、試合で喜ばせることはまだまだできると思う。あと2試合ホームで戦えるチャンスがあるので、連勝して終わりたい」と意気込む。
満原選手は「CSが無い状況で、残り3試合、3連勝して終わりたいという気持ちが強かった」と言い、「チームの求められていることやスタッツに残らないことも含めできたのは良かった」と振り返る。最終節に向け「ファンの方たちにも恩返しになると思うし、勝つ姿を見に来てもらっていると思うので、泥臭くても連勝して終わりたい」と意気込んだ。「攻め気を持ってプレーできた」という広瀬選手は、「自分たちだけではなく、ファンの方やボランティアの方、チームスタッフなど皆がいてプレーできている。どんな状況でも勝ちにむかっていうのが礼儀だと思うので、良い形で今シーズンを締めたい」とも。
勝久ジェフリーヘッドコーチは「残り試合が少ない中、ルーズボールに飛び込むなどアイデンティティーを表現できたのは良かった」と評価し、「最後の2試合、感謝の気持ちを込めて戦いたい」と話した。
SR渋谷の最終節は今月5日・6日、ホーム青山学院記念館(渋谷区渋谷4)に大阪エヴェッサを迎える。6日の試合後には参加無料のファン感謝祭も予定する。