表参道ヒルズ(渋谷区神宮前4)本館地下3階の「スペース・オー」で現在、アーティスト清川あさみさんの個展が開催されている。
糸や布を素材にした作品や、写真に刺しゅうを施す作品で知られる清川さん。アートディレクションや造形作品など幅広く手掛けるほか、映像や広告のアートディレクター、空間デザイン、プロダクトのプロデュースなど幅広く活動している。
「『ADASTRIA美女採集』by ASAMI KIYOKAWA」と題する同展は、清川さんの代表作「美女採集」を中心に120点以上を展示する。2003年から手掛けている「美女採集」は、女優やモデル、ミュージシャンなどなど女性を動植物に見立て、写真に刺しゅうを施すことで「採集」するシリーズ。
会場には、葵わかなさん(ヒヨコ)、秋元梢さん(ブラックバック)、安藤裕子さん(クラゲ)、石原さとみさん(金魚)、木村文乃さん(白クマ)、佐々木希さん(アルパカ)、Superfly・越智志帆さん(ラクダ)、夏木マリさん(アンモナイト)、橋本環奈さん(オオムラサキ)など過去に手掛けた同シリーズの作品が一堂にそろう。加えて、新たに手掛けた菅原小春さん(アカカザリフウチョウ)、ゆりやんレトリィバァさん(エボシカメレオン)、水曜日のカンパネラ・コムアイさん(アネモネ)、和田アキ子さん(ケナガマンモス)もお披露目。今回は、協賛するアダストリア(渋谷2)グループの従業員3人をモデルにした作品も並ぶ。
「心の中に何かを持っているような人」をモデルにするという清川さん。女優・桐谷美玲さんは「美しい容姿だけでなく内面の繊細さがある」と、猫の「ベンガル」に見立てた。「見た目が猫っぽいと言われる」桐谷さんは「性格とか特性からテーマを決めていると聞いてドキッとした」と振り返った。今回、ゆりやんレトリィバァさんを「エボシカメレオン」に見立てた理由について清川さんは、「多才でいろいろな色に変われて環境の変化に強いのに、内面がとっても優しくて繊細な部分がかわいいので草食系といわれるエボシカメレオンに例えさた」とも。
このほか、同一モデルの写真に刺しゅうなどを施しさまざまな女性のコンプレックスを表現する「Complex」(2007年、2009年)、原宿や渋谷などで1990年代に撮影した若者のストリートスナップ写真に刺しゅうを施した「TOKYOモンスター」(2014年)、異なる年齢のモデル4人で幼少期~成熟期までの女性の人生を表現した新作「LIFE」(2018年)なども展示する。
開催時間は11時~21時(最終日は20時まで)。入場無料。5月6日まで。