渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)9階のホールで現在、体験型恐竜ライブショー「DINO SAFARI(ディノサファリ)」が上演されている。
造形美術品の製作などを手掛ける「ON-ART」(東久留米市)が開発した自立歩行恐竜型メカニカルスーツ「DINO-TRONICS(ディノトロニクス)」を使った同公演。同所で初開催となった昨年は、昼公演にはファミリー層や親子3世代など、夜公演にはカップルや仕事帰りのビジネスマンらが増え、延べ約2万7000人が来場したという。場内は床に敷く人工芝に座る席と、それを囲むように配置する椅子席の2種類を用意し、入場時に来場客が自由に選べるようになっている。
公演は、恐竜特別区でのナイトサファリ「DINOSAFARI」を舞台に、来場客はキャストらが扮(ふん)するガイドやレンジャー隊員と共にサファリ参加者としてショーを体験する。昨年公演時に登場した、全長8メートルのティラノサウルス(全長8メートル)、トリケラトプス(同6.5メートル、大型肉食恐竜「アロサウルス」(同6.4メートル)などに加え、今回は同社の最新型となる体を覆う羽毛が特徴の「ユタラプトル」(同5メートル)2頭が初登場している。
ディノトロニクスは、パイロットと呼ぶ操縦者が装着して操作。軽くて強度の高い「ドライカーボン」などを使うことで軽量化を図っているほか、小型カメラや無線を搭載することでパイロットは外部の様子を把握できるようにしているという。内部の設計はバージョン3で、ユタラプトルは首など、動かす機構がこれまでとは異なり「よりリアルに動かせる」ようになっているほか、他の恐竜も前回はできなかった恐竜同士がかみつく演出もできるようになったという。
ON-ART社の金丸賀也(かずや)社長は「恐竜同士がかみつくのは、僕たちとしてはとても高い技術にもチャレンジしているので迫力を増している」と手応えをうかがわせる。
演出にも力を入れた今回。場内に張る幕1面には、荒野をイメージした映像を投影。公演が進むのに合わせ、映像も太陽が沈み、月が昇ったり雨が降ったり、満天の星空に変化したりする。同時に場内の照明も調光し、雨が降る前にカエルが鳴くなどBGMの細部にもこだわり、「リアルな自然の表現」を図った。
金丸社長は「ディノサファリは、生きているかのような恐竜を体験すると同時に、恐竜を通して自然の環境の良さや素晴らしさを感じてほしいと思いながら作っている。今回は映像や音などの表現をふんだんに取り入れているので、たくさんの自然、細かい環境の変化を体験してほしい」と呼び掛ける。
公演中は写真撮影可能(フラッシュはNG)。上演時間は約50分。入場料は全席自由(整理番号付き)=3,200円(土曜・日曜・祝日、恐竜が観客にかみつくナイトメアバージョンは3,500円)。5月5日まで(40回公演)。