セコム(渋谷区神宮前1)などが4月3日、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)に向けた警備共同企業体(JV)を設立した。
東京2020大会のオフィシャルパートナー(セキュリティーサービス&プランニング)である同社と綜合警備保障(ALSOK、港区)が中心となり、その他民間の警備会社12社が発足メンバーとして参画する。
人員不足や自然災害、国際テロ情勢などが懸念され警備のニーズが多様化する中、「安定的で早期に人員確保ができる」「ベニュー(会場)に応じて柔軟性の高い対応が取れる」「統一した教育を行うことで高いレベルでの警備品質が均一できる」ことからJVを設立。セコムの中山泰男社長は「『オールジャパン』『チームワーク』をキーワードに、空前の規模の警備を実現、安心・安全を守り抜き成果を出すことで、五輪のレガシーになる」と力を込める。
2012年のロンドン大会では、1社で会場警備を受託した警備会社が予定していた約1万人の警備員を確保することができず、数千人の軍兵士を追加投入している。東京2020大会では自衛隊などの手を借りず、全国約9000社(警備員54万人)といわれる「民間の力で全面警備」を目指す。今後、各警備会社に呼び掛け、最終的には100社以上の警備会社で構成する見込み。
同日、同JVと公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織員会は、東京2020大会の警備業務委託に向けた覚書を締結。両者は今秋ごろには基本契約を結ぶ予定。
業務範囲は、競技会場などが集中する東京・千葉・神奈川・埼玉とその周辺の特定地域の警備業務を委託する予定。業務内容は、入場客の手荷物検査などのセキュリティーチェック、巡回警備、交通誘導、雑踏整理など人的警備を想定する。
2013年に公表された大会開催計画文書「立候補ファイル」では、東京2020大会での民間警備員は1万4000人と推定されているが、最終的な人数は年内に確定を目指す大会警備ガイドプラン、各会場の警備配置計画などを経て確定する。
昨年末に公表された、東京2020大会経費(第2弾)総額1兆3,500億円のうち、警備員のほかカメラなどの機材を含め警備経費は約1,000億円を算出している。