神宮外苑エリアの複合施設「日本青年館」(新宿区)のホールで3月24日、「ミュージカル『刀剣乱舞』 ~結びの響、始まりの音~」が開幕した。
実在の刀剣が戦士となった「刀剣男士」を収集・育成するシミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」の舞台版である同作。「刀ミュ」の愛称で親しまれる同ミュージカルは2015年にトライアル公演として初演。以降、国内をはじめ中国など海外でも公演しているほか、2016年には厳島神社(広島県)で世界遺産登録20周年記念奉納行事として特別公演を行うなどしている。
5作目となる今回。演出を手掛ける芽野イサムさんは同作について、「この作品を以て一つの結びを迎える。そして、これから先の『刀剣乱舞』シリーズに繋がっていく始まりの作品になっていく」と説明。内容については「全く触れられない」としながらも、「ここまで踏み込むのか、と驚いていただける」と自信をうかがわせた。
出演するのは、2作目「幕末天狼傳(てんろうでん)」で共に戦った、新撰組・沖田総司が使っていたとされる打刀「大和守安定(やまとのかみやすさだ)」、新撰組副長・土方歳三が愛用したといわれる打刀「和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)」、その相棒の脇差「堀川国広」、新撰組局長・近藤勇がかつて持っていた「長曽祢(ながそね)虎徹」に加え、坂本龍馬の愛刀「陸奥守吉行(むつのかみよしゆき)」、身幅が広く切っ先の反りが大きい薙刀(なぎなた)「巴形薙刀」の6振。
大政奉還後の慶応4年に送り込まれた 6振りは、敵の狙いが新撰組の生き残った隊士たちを率いて新政府軍と戦っていた土方歳三だと知る。それぞれが、かつての主の死と向き合い、葛藤しながらたどり着いた答えとは――。
初日公演前に取材に応じたキャスト陣らは、「この作品を観るとまた『刀剣乱舞』の見方が変わるのでは」(大和守安定役鳥越裕貴さん)、「『刀剣乱舞』史上類を観ない革命が起こっている」(長曽祢虎徹役伊万里有さん)と手応えうかがわせた。昨年アメリカから帰国した丘山晴己さん(巴形薙刀役)は、「心からVery Happy」と得意の英語を交えて喜びを表現し、「この為にアメリカから帰って来たのではないかというくらい本当に気合いが入っている」と話した。
公演時間は1部=約2時間10分、2部=約40分(途中休憩20分)。4月1日まで。