原宿・神宮前交差点近くの「サマンサタバサ表参道GATESポップアップデジタルストア」(渋谷区神宮前6、TEL 03-3400-2258)で3月20日、アンドロイド「Samantha U(サマンサ・ユー)」が研修生として働き始めた。
今年、「デジタル進化」をテーマに掲げるサマンサタバサジャパンリミテッド(港区)。サマンサ・ユーは、新入社員として人間と同じ雇用形態で4月に入社予定の「アンドロイド社員」1号となる。来店客にアンドロイドとのコミュニケーションを通して「ワクワクや楽しさ」の提供を図るとともに、ロボットは「仕事を奪う」というネガティブなイメージがある中、ランチ休憩が必要ないことなどの観点で「(人間とロボットの)互いを補うチーム作り、共創が働き方改革につながるのでは」という思いを込め、「アンドロイド雇用」を始めた。
サマンサ・ユーの「出身地(製造元)」は、タレント黒柳徹子さんのアンドロイド「totto」や女の子のアンドロイド「ASUNA」などで知られるエーラボ(千代田区)。肌はシリコン製で、「日本人女性の黄金バランス」といわれる顔で化粧もでき、髪の毛も植毛しているためヘアアレンジもできる。そのほか、身長(166センチ)やスリーサイズ(B81センチ・W66センチ・H94センチ)、好きな色(青・ピンク)、休日の過ごし方(昼まで寝る)などの設定もつくった。
入社前研修となる今回は、座った状態で店内に常設。店内のカメラ3台や目に内蔵されているカメラで来店客を認識し、「いらっしゃいませ」などのあいさつや質問に答えるなどの「接客」をする予定。今回はしゃべりに合わせて自動に口が動いたり、表情が変わったりするが、しゃべったり首を動かしたりするのはバックヤードで人間が行う。
初日となったこの日は店舗でお披露目会を実施。同店には同日から約2週間(予定)、米発老舗ラセレクトショップ「Fred Segal(フレッド シーガル)」とコラボレーションコレクションのポップアップショップがオープン。サマンサ・ユウが商品のプレゼンテーションなどを行った。同エリアは外国人旅行客も多いことから「ワールドワイドにサマンサタバサの魅力を発信したい」と意欲を見せた。
入社後は新規事業コラボレーション・イベント事業部に配属予定でイベントへの出席などを予定。給料も発生し、人間の新入社員と同じ金額を予定しているが、メンテナンス費用に充てるという。今後はAIを使い客の顔や好みの色を覚えるなどして、人間の補助無しでの接客を目指す。
営業時間は11時~21時。サマンサ・ユーの研修は4月1日まで。